LMP2強豪が続々ラインアップ発表。クビアトがプレマに加入、クビサは1年で古巣に“出戻り”/WEC

2023年2月6日(月)10時23分 AUTOSPORT web

 WEC世界耐久選手権に参戦するプレマとチームWRTが、2023年の参戦体制を発表した。プレマには元F1ドライバーのダニール・クビアトとランボルギーニ・ワークスドライバーのミルコ・ボルトロッティが加入し、チームWRTには2年ぶりにロバート・クビサが復帰することが明らかとなった。


 すでに2台体制へと拡大すること、そしてファン・マヌエル・コレアとドリアーヌ・ピンの起用を発表済みだったプレマは、2台の最終ラインアップを決定。コレアの9号車オレカ07・ギブソンはベント・フィスカール、フィリップ・ウルガンがドライブする他、F2に参戦するコレアの代役としてアンドレア・カルダレッリが起用されることが明らかになった。


 ピンのドライブする63号車には、ボルトロッティとクビアトが加わる。


 クビアトは昨年、Gドライブ・レーシングからWECに参戦することが決まっていたが、その後チームがロシアのウクライナ侵攻とそれに伴う各国政府およびFIAの制裁により撤退したため、LMP2への参戦が先延ばしとなっていた。


 それに代わり、2022年にクビアトはNASCARカップ・シリーズの3レースに参戦した。

7月30〜31日に”聖地”インディアナポリスで、自身初のストックカー・デビューを飾ることが発表されたダニール・クビアト


「このチームの一員になれることをとてもうれしく思っている」とクビアト。


「上位に食い込むために全力を尽くしたいと思っている」


 一方、ボルトロッティは昨年のル・マン24時間レースにWRTから出場して以来、LMP2マシンのコックピットに戻ることになる。


「今年のFIA WECでプレマに参加できることをうれしく思う」とボルトロッティ。


「今季の目標はこの好調を維持し、LMDhプログラムへの準備を進めることだ。信頼と機会を与えてくれたプレマとランボルギーニ・スクアドラ・コルセに感謝したい」

チームWRTの32号車オレカ07・ギブソンで2022年のル・マン24時間レースに参戦したミルコ・ボルトロッティ


 なお、コレアの代役として開幕戦セブリング1000マイルレースに出場するカルダレッリだが、チームからの発表によれば「さらに日程が重なった場合」、他のイベントでもコレアの代わりにレースに参加するという。


 現在、WECの第3戦スパ、第5戦モンツァは、それぞれバクー、シルバーストンで開催されるF2のイベントと同じ週末に設定されている。


 ボルトロッティ同様2024年にランボルギーニLMDhドライバーを務めるカルダレッリは以前、LMDhへの移行に備え、2023年はLMP2のシートを確保することを望んでいると示唆していた。


「この新しい冒険で、プレマに戻ってレースができることをとてもうれしく思う」とカルダレッリ。


「2007年と2010年に一緒にレースをしたチームとはとてもいい思い出があり、当時は第2の家族だった」


「このプログラムに参加させてくれたランボルギーニ・スクアドラ・コルセとアイアン・リンクスに感謝したい」


■WRTは41号車の布陣を固める。オーレンがスポンサーに


 一方、ベルギーのチームWRTは、2023年のWEC参戦ドライバーとして、クビサとルイ・デレトラズの復帰を発表した。


 WRTで2021年のELMSヨーロピアン・ル・マン・シリーズのタイトルを獲得したふたりは、昨年プレマが設立したばかりのWECプログラムに移籍し、ロレンツォ・コロンボとともにランキング5位を獲得した。


 そして2023年、ふたりは古巣へと復帰し、シルバードライバーのルイ・アンドラーデとともに41号車オレカ07・ギブソンを世界選手権でドライブする。


 昨年アンドラーデは、フェルディナンド・ハプスブルグ、ノルマン・ナトとともにWRTの41号車オレカをドライブし、モンツァ6時間レースで優勝。ランキングでもプレマ勢を1ポイント上回っていた。


 なお今年の41号車は、クビサのメインスポンサーであるオーレン・チームWRTのバナーのもとで戦うこととなる。


「WECでのレースはもちろん、ル・マンでのレースも大きなチャレンジになる。2021年には最終ラップで優勝を逃したが、今回はもう1周できればいいんだ」とクビサは語っている。


「集中力を切らさず、最高の結果を出すために頑張りたい」


 デレトラズの今年のプログラムは、これにて確定した。彼はIMSAウェザーテック・スポーツカー選手権で、ウェイン・テイラー・レーシング・ウィズ・アンドレッティ・オートスポートからミシュラン・エンデュランス・カップに、タワー・モータースポーツからウェザーテック選手権のスプリントラウンドに、そしてELMSではレーシングチーム・ターキーから参戦することも決定している。


 デレトラズとアンドラーデは昨年、ともにタワー・モータースポーツからIMSAに参戦しており、最終戦プチ・ル・マン10時間では、LMP2クラスを制覇している。


 なお1月11日にシリーズから発表された暫定エントリーリストでは、WRTの31号車にはショーン・ゲラエルの名が記されているが、チームはまだ残る2名のドライバーを明らかにしていない。

プレマ・オーレン・チームから2022年WECのLMP2クラスに参戦したロバート・クビサ
3カテゴリーにまたがる多忙なプログラムが確定したルイ・デレトラズ。IMSA開幕戦デイトナ24時間では、ブレンドン・ハートレーとともにWTR陣営に加わった。

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