全日本ラリーが嬬恋で開幕。スバルの鎌田卓麻が2020年以来の優勝、負傷明けの新井は復帰戦で3位

2023年2月7日(火)23時25分 AUTOSPORT web

2月3〜5日、群馬県吾妻郡の嬬恋村を拠点に2023年JRC全日本ラリー選手権第1戦『ラリー・オブ・嬬恋』が行われ、スバルWRX STIを駆る鎌田卓麻/松本優一組(SUBARU RALLY CHALLENGE)が優勝を飾った。


 台風による現地の被災やコロナ禍の影響で近年、開催中止が続いたラリー・オブ・嬬恋。今年4年ぶりに全日本ラリーのカレンダーに復帰した同ラウンドは、前回大会の2019年と同様にシーズン開幕戦としての実施に。しかし、大会は新型コロナウイルスの感染第8波の影響を鑑みて無観客での実施となった。


 競技は晴天に恵まれた4日(土)13時からスタートし、まずはオープニングのSS1で鎌田がベストタイムを刻み総合トップに立つ。その後のSS2からSS4にかけては、シュコダ・ファビアR5をドライブする福永修が3連続ベストを記録してみせるが、鎌田もセカンドベストで応戦し総合首位の座を譲らない。


 雪不足のためステージ距離が短縮されたSS5では、昨年11月に行われたWRC世界ラリー選手権第13戦『ラリージャパン2022』のアクシデントで負傷した後、今大会で競技に復帰した新井敏弘(スバルWRX STI)がステージ優勝を飾り総合2番手に浮上した。


 新井はまだ身体に痛みが残るなかSS6でもベストタイムを刻む。初日最後のステージとなったSS7では順位をひとつ落としたが、このステージを制した総合2番手の福永と0.1秒差の総合3番手につけた。


 一方、首位を走る鎌田は福永がSS5でスピンしたことでリードを大きく拡げ、12.9秒差のギャップを築いて初日を終えている。


■スバルが新体制の初陣でワン・スリー・フィニッシュ


 5日(日)最終日も天候は良好。それがゆえに道路上の雪や氷が溶け始め、非常に滑りやすいコンディションでのラリーとなった。トップに立つ鎌田はSS8から計4本のSSで争われたレグ2前半の2本で最速タイムを記録し、リードをさらに拡げてみせる。


 この時点で後続に30秒のギャップを作った鎌田は残りの2SSではペースをコントロールしながらもセカンドベストを並べ、2020年第5戦丹後以来となる久々の全日本ラリー優勝を果たした。


「2023年からSUBARU RALLY CHALLENGEというかたちでチーム体制も一新し、関係者だけでなくファンのみなさんからの応援も熱く、プレッシャーを感じていましたが、その中でできることをしっかりとやろうと考えていました」と語った鎌田。


「滑る路面ではスバルの強みを活かせます。コントロール性のよさがアドバンテージになったと思います」


 わずか0.1秒差で最終日を迎えた福永と新井の2番手争いは、レグ2オープニングのSS8で2番手タイムを出した新井が福永を逆転する。しかし、サービスを挟んで迎えたSS10では福永がベストタイムで応戦。ふたたび総合2番手となった福永は最終SS11でも最速タイムを叩き出し2位表彰台を決定づけた。一方、ライバルと0.2秒差で最終ステージに臨んだ新井は、同SSでスピンを喫しタイムを失うことに。それでも総合3位でフィニッシュし復帰戦で表彰台を獲得している。


 JN2〜JN6の各クラスウイナーは以下のとおり。全日本ラリーの次戦は3月3日から5日にかけて、愛知県新城市を中心に開催される第2戦『新城ラリー2023 Supported by AICELLO』だ。

新井敏弘/小藤桂一組(SUBARU WRX STI) 2023年全日本ラリー第1戦嬬恋
2023年全日本ラリー開幕戦ラリー・オブ・嬬恋の表彰式


■2023年JRC全日本ラリー選手権第1戦ラリー・オブ・嬬恋 総合トップ3&クラス優勝者



































































Pos.Driver&Co-DriverCarTeamTime
JN1クラス1位鎌田卓麻/松本優一スバルWRX STISUBARU RALLY CHALLENGE46’24.0
JN1クラス2位福永修/齊田美早子シュコダ・ファビアR5THREE FIVE MOTORSPORT46’47.0
JN1クラス3位新井敏弘/小藤桂一スバルWRX STISUBARU RALLY CHALLENGE47’04.9
JN2クラス1位堀田信/河西晴雄トヨタGRヤリスDL itzz MAP GR ヤリス49’03.6
JN3クラス1位上原淳/漆戸あゆみトヨタ86シャフト58’51.9
JN4クラス1位西川真太郎/本橋貴司スズキ・スイフトスマッシュラリーチーム52’04.9
JN5クラス1位鶴岡雄次/山岸典将トヨタ・ヤリススマッシュラリーチーム1h11’49.5
JN6クラス1位天野智之/井上裕紀子トヨタ・アクア豊田自動織機RALLY TEAM52’58.3

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