「岩佐歩夢の才能は早い段階から理解していた」シャルル・ピックが語る新生ダムスの1年目/FIA F2

2023年2月13日(月)20時56分 AUTOSPORT web

 FIA F2に参戦するダムスは、2022年2月に元F1ドライバーのシャルル・ピックにより買収され、新体制のもとで2022年シーズンに挑むと、ホンダ/レッドブル育成の岩佐歩夢が2勝を挙げる活躍を見せた。ピックはダムス発行のプレスリリースで2022年シーズンを振り返るとともに、2023年シーズンへ向けた目標や今後の計画を語っている。


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──ダムスでの1年目を振り返ってください。


「いい1年だったね。最初はチームメンバーのことを知るために、順応するための時期が必要だったけど。レースを重ねるごとに強くなっていく歩夢と一緒に、僕らもレースごとに前進でき、チーム全体として、1年を通してうまく進んでいったと思う」


──ダムスでの1年目のハイライトは何でしたか?


「2回のポールポジションと2回の優勝だね。チームはフランス国籍で、僕もフランス人だからル・キャステレ(ポール・リカール・サーキット)での勝利は本当に特別なものだ。シーズン最初の勝利でもあったから、この勝利の瞬間は印象に残っている。ブダペストとアブダビでのポールポジション、そして、アブダビでの2勝目もまた素晴らしく、強烈だった」

2022年FIA F2第9戦ル・キャステレ レース2 初優勝を喜ぶ岩佐歩夢とダムスのチームメンバー


──2022年に驚いたことはありましたか?


「特にないかな。歩夢のパフォーマンスは、外から見る人々にとっては衝撃的だったかもしれないけど、チーム内では彼に才能があることは皆がわかっていたことだ。歩夢のポテンシャルをすぐに感じ、シーズンのかなり早い段階からその才能を理解していたから、シーズン後半に彼がさらに強力なパフォーマンスを発揮することは予想していた。もし、それが正しい選択だと思わなければ、歩夢をマシンに乗せることはなかっただろうし、歩夢がすべてをまとめ上げてくれると僕たちは確信していたんだ」


──2022年の最大のチャレンジは何でしたか?


「特に問題となるような課題はなかったと思う。しかし、勝つためには、ドライバー、クルマ、チーム、これらすべてをまとめなければいけなくて、これが難しい。要因はひとつではないから、レースウイークを通じてパフォーマンスを見出すことができるよう、細かい部分もすべて分析し、より競争力を高めるための解決策を見つけ、それを実行に移すことは課題だったと思う」


──2022年、ダムスは成功した年だったと思いますか?


「いいシーズンだったと思う。もちろん、すべてに満足しているわけではないけれどね。すでにチームは、2023年シーズンに向けて、さらなる改善点に焦点を合わせているところだ」


──2023年のダムスの目標は何でしょうか?


「引き続き進歩を続け、2022年シーズンよりも良い成績を残すことが目標だ。2022年シーズンを振り返ってみると、シーズン当初はスロースタートで、トップ5や表彰台を争うことができなかったけど、シーズン中盤にチームが改善されると、より上位で戦えるようになり、シーズン終盤にはポールポジション獲得や優勝争いを繰り広げることができるようになった」


「同じ大会でポールポジションと優勝を獲得することも難しいことだけど、シーズンを通して高いレベルを維持することはさらに難しいことだ。2023年の目標は、すべてのレースで一貫性を保ち、常に上位で戦えるようにすることだね」

2022年FIA F2第14戦ヤス・マリーナ レース2のトップチェッカーを受ける岩佐歩夢(ダムス)


──ダムスには2023年のチームタイトルを獲得する能力があると考えていますか?


「能力はあると思うけど、それは我々だけではないだろう。3、4チームがチームタイトルを争うことになるだろう。競争のレベルは非常に高くなるので、シーズン終了時にどれだけのポイントを獲得しているかを見てみたいと思う」


──2023年、岩佐歩夢はシリーズタイトルを争えると思いますか?


「歩夢にはその才能があるし、2022年にそれを証明している。しかし、2023年シーズンもチャンピオンシップを争えるドライバーは4、5人いる。2023年のトップチームにはすべて、タイトルを争えるポテンシャルを持ったドライバーがいるんだ。だからこそ、私たちはこの1年、レースごとに最大限のパフォーマンスを引き出して、常に上位に食い込めるようにすることを目指すんだ」


──2023年のアーサー・ルクレールの目標は何でしょうか?


「アーサーの目標は、できるだけ早く上達し、上位で戦えるようにすることだ。彼には能力があるけど、FIA F2でのキャリアをスタートさせた序盤は、FIA F3とFIA F2マシンの違いに適応する段階が必要だ。アーサーとチームは、2022年の歩夢のときと同じように、この学習期間を素早く進めるために協力するつもりだ」


──2023年、アーサーとアユムはどのように連携していくのでしょうか?


「ふたりのドライバーはともにクレバーだ。すでにアブダビで行われたシーズン末のテストで一緒に仕事をするようになり、その後もファクトリーで、第1戦サクヒールに向けてチームとともに準備を進める予定だ。アーサーにとって、今シーズン、歩夢と一緒に仕事ができることは大きなメリットだ。歩夢の経験は非常に貴重なものであり、アーサーは歩夢を参考にすることで、FIA F2に早く慣れることができるだろう」


──ダムスは長期的にどのようなチームになるとお考えですか?


「モータースポーツに参戦する理由は、勝つためだ。ドライバーであれ、チームであれ、目的は常に勝つことであり、そのために我々は年間を通じて懸命に働いている。FIA F2での私たちの目標は、ドライバーたちがパーフェクトな存在になることを助けることだ。今後ともF1に到達するという彼らの夢・目標を実現する手助けをしたいと考えている」

ダムスのチームオーナーを務める元F1ドライバーのシャルル・ピック

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