【J2リーグ2025】注目のダークホース候補3選

2025年2月13日(木)18時30分 FOOTBALL TRIBE

水戸ホーリーホック(左)RB大宮アルディージャ(中)愛媛FC(右)写真:Getty Images

2月15日に開幕を迎える2025明治安田J2リーグ。今季のJ2は、過去にJ1経験のあるクラブが11と半数以上を占めており、どのクラブにとっても難しいリーグ戦が予想される。なかでも昇格争いの中心になると見られるのは、J1から降格となった3クラブ(ジュビロ磐田、北海道コンサドーレ札幌、サガン鳥栖)や昨季J2の上位に入ったクラブだ。特に昨年、自動昇格となる2位と勝ち点1差の3位でシーズンを終えたV・ファーレン長崎は今冬主力の流出がほとんどない上、MF山口蛍やDFエドゥアルドなどJ1優勝経験のある選手を含め即戦力を多数補強。昇格はもちろん優勝についても本命の1つに挙げられると言えよう。


しかし、直近の3シーズンを見ても前年をJ2下位やJ3で過ごしながらもJ2で上位争いを演じたクラブも少なくない。例を挙げるなら昨年J1初挑戦にして3位でシーズンを終えた町田ゼルビアが最たるもので、2022シーズンは15位ながら翌2023シーズンにはJ2優勝を果たしている。そのほかにも、2022シーズンにJ2復帰初年度ながらもJ1昇格プレーオフそしてJ1参入プレーオフまで駆け上がったロアッソ熊本や2023シーズンに下位脱却を果たしたザスパ群馬。そして昨季で言えばベガルタ仙台やいわきFCと、一気に順位を上げた例は多くある。ここでは、今季のJ2リーグにおいてこのようなダークホースとなり得るチームを3つ、昨季のJ2下位あるいはJ3からの昇格組から紹介していく。




水戸ホーリーホック 写真:Getty Images

水戸ホーリーホック


2024シーズン:J2リーグ15位(11勝11分16敗)


昨季は開幕戦こそ勝利を飾ったものの、第2節以降は4連敗の後5試合連続の引き分けと白星が遠い序盤戦を過ごし17位でシーズンを折り返した水戸ホーリーホック。後半戦は白星も増え、第36節終了の時点で残留を決め15位でシーズンを終えた。2000年のJ2加入から一度も昇降格がなく、今季で26年目を迎える。残念ながら今冬は、長くクラブとともに歩んできたGK本間幸司が引退し、昨季の主力であったMF新井晴樹やMF落合陸といった選手もチームを離れたが、一方で昨季後半戦での戦いぶりや今季の新戦力からは飛躍の可能性も感じられる。


特に注目なのは攻撃陣の新加入組だ。昨季栃木SCへ加入し2ゴール4アシストと活躍したMF奥田晃也が4年ぶりに復帰。得点だけでなくチャンスメイクも可能な選手が戻ってきた。そして、作ったチャンスを決めきる選手としてはMF津久井匠海やFW渡邉新太を獲得。両名ともに昨季はそれぞれの所属クラブにおいてチームで2番目となる得点を挙げており、重要な得点源として存在感を発揮していたことから即戦力として期待できる。また、昨季は特別指定選手として15試合に出場しゴールも挙げたMF山本隼大をはじめとするルーキーの活躍にも大いに注目したい。昨季も大卒ルーキーとして加入したDF牛澤健やFW久保征一郎といった選手たちが早速多くの出場機会を得て活躍したように、水戸にとっては若手の成長こそがまさに生命線。ルーキーとはいえ早々に既存戦力との融合とさらなるレベルアップが求められるのは間違いない。


昨季の後半戦では、昇格を決めた3クラブ(清水エスパルス、横浜FC、ファジアーノ岡山)や3位の長崎を苦しめながら、下位勢から白星を挙げて勝ち点を積み重ねた水戸。今季は前半戦から同様の戦いができれば、例年以上に混戦が予想される上位争いに食い込める可能性は十分ある。そのためにも序盤戦で新戦力のフィット感と今季のルーキー含め主軸となる若手がいかに成長できるかがカギとなる。


愛媛FC 写真:Getty Images

愛媛FC


2024シーズン:J2リーグ17位(10勝10分18敗)


2023シーズンにJ3で優勝を果たし、昨季は3年ぶりにJ2へ復帰した愛媛FC。シーズン前半戦は引き分けも多いなか勝ち点を積み上げ10位で折り返したが、後半戦に入ると大量失点するゲームが増えるなど苦戦し最後は5連敗を含む11戦未勝利のままシーズンを終えた。


立て直しを図りたい愛媛は、この冬守備陣で昨季センターバックの主力であったDF小川大空とDF森下怜哉が流出したものの楽しみな選手を多数獲得している。特に注目なのが攻撃陣。なかでもFW佐藤亮は、2023シーズンにJ3のギラヴァンツ北九州からザスパ群馬に加入するとJ2全試合に出場し6ゴール9アシストをマーク。大暴れして群馬の躍進に貢献しており、愛媛にも同様の効果をもたらすことが十分期待できる。また、その他の新加入選手を見ると若手の有望株が多数。MF甲田英將やFW村上悠緋といった選手たちを期限付きで獲得し、さらにタイ代表のMFエカニット・パンヤも補強するなど昨季の後半戦ではやや伸び悩んだ得点力にテコ入れを図る動きが見られた。


昨季の両センターバックを失ったことから、早々に守備陣の再構築を図れるかがシーズンを通しての浮沈を大きく左右するだろう。とはいえ新加入選手を含め攻撃力は高く若さも相まって、勢いに乗ればそのまま上位へと進みそうな点は昨季のいわきFCを彷彿とさせる。まずは開幕からの数試合、大崩れすることなく過ごせるか注目したい。




RB大宮アルディージャ 写真:Getty Images

RB大宮アルディージャ


2024シーズン:J3リーグ1位(25勝10分3敗)


昨季はクラブ史上初めてJ3リーグを戦い、見事優勝でJ2復帰を果たしたRB大宮アルディージャ。もはやダークホースと呼べるチームではないのだろうが、J2復帰初年度で即J1昇格ともなれば十分に快挙と言えようことからここで紹介する。今冬は、昨季期限付きで加入し昇格と優勝の立役者となったFW杉本健勇とMF泉柊椰が完全移籍へ移行してチームに残留。その他の選手を見ても主力の流出はほとんどなく、J3優勝の勢いを継続させる意味でも注目された選手たちの流出阻止に成功したと言えよう。


その上で、新戦力には頼もしい選手たちを多数迎えた。DFガブリエウとFWカプリーニはいずれも昨季横浜FCの主力としてJ1昇格に貢献。ガブリエウは空中戦で、カプリーニは推進力で多くの見せ場を作れる。J2という同じカテゴリーであれば再現性も高いだけに活躍を大いに期待したい。また、京都サンガからはFW豊川雄太とMF谷内田哲平を獲得。豊川は2023シーズンにJ1で二桁ゴールをマークしており、経験値も含め新たな得点源として心強い。谷内田は昨季途中に韓国Kリーグ2のFC安養へ移籍して経験を積んでおり、その卓越した技術の成長が今から楽しみだ。


一昨年のJ3降格を大宮で経験した選手も多くおり、悔しさをバネに1年でチームをJ2まで引き上げたことを踏まえるとメンタル面では寧ろプラスに働くだろう要素もある。各ポジションに期待できる選手も加え、一気にJ1まで駆け上がることができるのか。大宮の新たな挑戦に期待したい。

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