【阪神】開幕6番想定の21歳が巨人・岡本級だ ヤクルト・村上級だ NPB屈指の打球速度170キロ超え
2025年2月18日(火)5時0分 スポーツ報知
打撃練習を行う前川右京(カメラ・義村 治子)
阪神・前川右京外野手(21)が沖縄・宜野座キャンプで劇的な進化を見せている。フリー打撃では、本人いわく「8割の力感」でサク越え。昨秋から重ねてきたトレーニングが実り、NPB屈指の打球速度170キロ超えも記録した。高卒4年目の打撃に巨人の007もビックリ。阪神担当の直川響記者が、急成長した若虎を「見た」。
今キャンプ取材中、前川の打球に思わず目を疑った。フリー打撃で、私が「フェンスに届かないだろう」と判断した打球が、軽くサク越え。これまでもコンタクト力やパワーはあったとはいえ、高卒4年目とは思えない力強いスイングだ。私の隣で巨人・真田裕貴スコアラーも仰天した。「あの左打者は前川選手ですよね? 新外国人かと思いました」と驚きを隠せない様子だ。
真田スコアラーは「パワーがあり、アベレージも残せる。まさに現役時代の阿部慎之助さんみたい」と自軍の指揮官に前川を重ねた。「今年30本は打ちそう」と昨年5月にプロ初本塁打を放ち、まだ通算4本塁打の前川の覚醒まで予言した。
取材を進めると、進化の一端が見えてきた。昨年11月の秋季キャンプでは新任・小谷野打撃コーチ発案のロングティーで飛距離を意識し、本数を減らしてフルスイング。より遠くへ飛ばせるようになった。オフには地元・三重で筋トレに励み、4キロ増量した92キロでキャンプイン。最大出力が上がり、自己最重量ボディーも手に入れたことで、打球速度が増した。
今キャンプでは最速170キロ超えの打球速度を計測。智弁学園の先輩で6年連続30本塁打の巨人・岡本、22年3冠王のヤクルト・村上ら球界を代表する打者に肉薄する数値を出した。今季初の対外試合だった15日・楽天戦(宜野座)では変化球を右翼へ3ラン。藤川監督から開幕6番に想定される前川は、「8割の力感で、サク越えできる」ときっぱり。自信も増したその表情を見て、一気にスターダムへ駆け上がる予感さえしてきた。(直川 響)