【J1リーグ2023】湘南から漂う上位進出の気配。5発圧勝、必殺の布陣とは

2023年2月20日(月)19時30分 FOOTBALL TRIBE

平岡大陽(左)町野修斗(右)写真:Getty Images

2023明治安田生命J1リーグの第1節が2月18日に行われ、湘南ベルマーレはサガン鳥栖と対戦。鳥栖の本拠地、駅前不動産スタジアムに乗り込んだアウェイチームの湘南が、FW大橋祐紀の3ゴールなどで試合を掌握。最終スコア5-1で勝利している。


自陣後方からのパス回しに定評がある鳥栖に湘南がどのように対抗し、勝利を手繰り寄せたのか。ここでは同試合における湘南の守備の特長を中心に解説する。




サガン鳥栖vs湘南ベルマーレ、先発メンバー

完璧だった湘南の守備隊形の使い分け


昨2022シーズンのJ1リーグを12位で終えた湘南は、就任3シーズン目の山口智監督のもとで磨き上げてきた[5-3-2]と[5-2-3]の2つの布陣を活かした守備をこの日も披露。キックオフの笛とともにハイプレスを仕掛け、鳥栖の自陣後方からのパス回しを封じにかかった。


3バックの鳥栖に対し、湘南は基本隊形[5-3-2]の3人の中盤のうち1人を前線に上げ、[5-2-3]の守備隊形で応戦。対戦相手の最終ラインの人数に即して守備隊形を使い分けること自体は昨シーズンも取り組んでおり、これが今節も機能した。


湘南の[5-2-3]の隊形による守備(平岡が前線へ上がるパターン)

湘南の[5-2-3]の隊形による守備(小野瀬が前線へ上がるパターン)

この様子が顕著に表れたのが、湘南が3-1とリードして迎えた後半15分の場面。ここでもMF平岡大陽、FW町野修斗、大橋の3人が前線に立ちはだかり、基本布陣[3-4-2-1]の鳥栖の3バックによるボール運びを許さず。鳥栖のDF山﨑浩介の縦パスを湘南のDF杉岡大暉がセンターサークル付近でカットすると、ここからアウェイチームの速攻が始まる。町野のスルーパスを受けた大橋が鳥栖のGK朴一圭との1対1を制し、勝利を決定づける追加点を挙げている。湘南のハイプレスの練度の高さが窺えたシーンだった。


湘南ベルマーレ MF平岡大陽 写真:Getty Images

鳥栖の対策も凌駕した湘南


湘南の[5-2-3]への対抗策として、鳥栖は3バックが横に広がり、これに加えてMF河原創とMF福田晃斗の2ボランチが最終ライン付近でボールを捌いてハイプレスを掻い潜ろうとしたものの、アウェイチームが敷いた新たな守備隊形に苦しめられる。


湘南は町野と大橋の2トップが鳥栖の2ボランチへのパスコースを塞ぎながら最終ラインに睨みをきかせたほか、平岡と小野瀬康介の両MFも、タッチライン際でボールを受けようとした鳥栖の左右のセンターバック(DF原田亘とDF中野伸哉)を捕捉。MF永木亮太を中盤の底に残した[5-1-4]という新たな布陣で、湘南は鳥栖に自由自在なパス回しを許さなかった。


湘南の[5-1-4]の隊形による守備

鳥栖の隊形変化に対応できた旨を、湘南のMF平岡が試合後コメントで明かしている。


「鳥栖の右ウイングバックのところへボランチが下りてくるのに最初はうまくハマらなくて(対応できなくて)、前半の途中で修正していけたのがよかったと思います。鳥栖に対しての行きかた(守備のやり方)というのを考えないといけないし、それぞれチームによって違うので、なんでもかんでも(プレスに)行けばいいというわけではないので、そこを途中で修正できたのはよかったと思います」(湘南ベルマーレの公式ホームページより引用。一部加筆・修正)


今後も相手の布陣を瞬時に見破り、それに即した守備隊形でのハイプレスでボールを奪えれば、今節のように得点を量産できるだろう。[5-3-2]、[5-2-3]、[5-1-4]と、ハイプレスのバリエーションが増えた湘南から、上位進出の気配が漂っている。

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