MotoGP:開幕前最後のカタール公式テストでビニャーレスがトップ。ホンダ勢はトップ5に食い込めず

2020年2月25日(火)9時20分 AUTOSPORT web

 MotoGPクラスのカタール公式テスト3日目が、2月24日、ロサイル・インターナショナル・サーキットで行われ、マーベリック・ビニャーレス(モンスターエナジー・ヤマハMotoGP)がトップタイムをマークした。ビニャーレスは3日間総合としてもトップでテストを終えている。


 カタール公式テストの最終日も、ヤマハとスズキの好調は変わらなかった。最後にトップタイムをマークしたのはビニャーレス。この日は84周もの周回数を走り込んだ。ユーズドタイヤでの走行も行い、ベストタイムの1分53秒858はアタックして記録したもの。ロングランのタイムといい、1ラップのアタックのタイムといい、仕上がりはよさそうだ。

カタール公式テストを総合トップで終えたビニャーレス


 そして3番手に浮上してきたのが、フランコ・モルビデリ(ペトロナス・ヤマハSRT)である。初日は5番手、2日目は4番手タイムをマークし、最後にはさらにポジションを上げた。モルビデリは最後にはレースディスタンスに近い20周を走行している。同じくチームメイトのファビオ・クアルタラロ(ペトロナス・ヤマハSRT)も20周ほどのロングランを実施。アタックはしなかったそうで4番手タイムとなったが、ペトロナス・ヤマハSRTのふたりはいい形でテストを締めくくったと言えそうだ。

2番手のモルビデリは、クアルタラロの影に隠れがちだがコンスタントに上位につけているのだ
クアルタラロはロングランでも好ペースを維持している


 ヤマハ勢としては唯一、バレンティーノ・ロッシ(モンスターエナジー・ヤマハMotoGP)がトップ10圏外の12番手となった。最終日には2コーナーで軽いクラッシュ。ロッシは「タイヤに昨年と同じような問題を感じている」と語っている。


 3番手タイムでテスト最終日を終えたチーム・スズキ・エクスターのアレックス・リンスは、ロングランとともに最後にアタックを行いベストタイムを記録。ジョアン・ミルも6番手。全体的によい形でテストを締めくくった。

「1日目はトップ、2日目は2番手、3日目は3番手。満足だ!」とコメントを残したリンス


■マルク・マルケス、最終日にして2019年型にリターン


 そして、最後までトップ5に食い込めなかったホンダ。3日目にして、マルク・マルケス(レプソル・ホンダ・チーム)が中上貴晶(LCRホンダ・イデミツ)の2019年型RC213Vで走行したという。マルクは1分54秒149のベストタイムをマークしているが、これが2020年型と2019年型、どちらで記録されたものか。この日のテストで「必要なものを理解した」と言うマルク。しかし、開幕はすでに2週間後に迫っている。

中上の2019年型マシンでもテストを行ったというマルク・マルケス


 チームメイトのアレックス・マルケス、サテライトチームで2020年型に乗るカル・クラッチロー(LCRホンダ・カストロール)ともにポジションは奮わないままというのも気がかりな点だ。アレックスはテスト初日から体調を崩し最後まで本調子ではなかった様子で、クラッチローは2日目のクラッシュで負った怪我が3日目に響いた。


 そんな中で体調とタイムを取り戻しつつある中上貴晶(LCRホンダ・イデミツ)は、ついに8番手タイムを記録している。ただし、セパン公式テストを含めロングランを実施できていないという懸念もある。3日目は体調も上向いていたとコメントしているが、周回数は33周にとどまった。そして上述したように、この日はマルクが中上のマシンの1台で走行していた。

調子もコメントも上向き。唯一の懸念はロングランをしていないこと


 最後まで上位に顔を見せなかったのは、2019年シーズンランキング2位のアンドレア・ドヴィツィオーゾ(ドゥカティ・チーム)も同様だった。ドヴィツィオーゾは10番手、ダニロ・ペトルッチは16番手でテストを終えている。ただ、ともにレースペースには満足している旨のコメントを残した。ペトルッチはこの日、新しいフロントカウルの空力デバイスを試していたようだ。

新しいフェアリングを装着していると見られるペトルッチのマシン。一見すると、変わらないようにも……


 ドゥカティ勢最上位となったのは、ジャック・ミラー(プラマック・レーシング)。2020年型マシンを走らせるミラーが最後のアタックで、5番手タイムを記録した。


 そして、最終日にして大きくタイムを更新したのが、ルーキーのブラッド・ビンダー(レッドブル・KTM・ファクトリーレーシング)である。1秒以上タイムを縮め、9番手に食い込んだ。もちろん、ルーキー勢としてもトップだ。ポル・エスパルガロ(レッドブル・KTM・ファクトリーレーシング)は2コーナーでクラッシュを喫して14番手だった。

ルーキー勢トップ、9番手につけたビンダー。大躍進と言っていだろう


 アプリリア・レーシング・チーム・グレシーニのアレイシ・エスパルガロは、3日間で総合13番手。ただ、これはセパンでも同様だったが、カタール公式テストでもタイム差が非常に接近しており、1秒以内に、18台がひしめいている。13番手のアレイシ・エスパルガロのトップとの差は約0.6秒というものだった。

トップから約0.6秒以内のポジションでカタール公式テストを終えたアレイシ・エスパルガロ


 ヤマハとスズキが最後までけん引したカタール公式テスト。ここまで遅れをとるホンダだが、マルク・マルケスが見出したという光明は、開幕戦カタールGPまでに間に合うのか。ドゥカティが投入した『ライド・ハイ・アジャスター』は実践でお目見えするのか。話題を多く残したテストになったと言えそうだ。


 MotoGPの2020年シーズンは、カタールのロサイル・インターナショナル・サーキットで3月6日から8日、開幕戦を迎える。


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