相手選手を華麗に抜き去るテクニック…欧州5大リーグの“股抜きキング”は誰だ?

2022年3月4日(金)18時23分 サッカーキング

ルイス・スアレスがリヴァプール時代に何度も見せていた股抜き [写真]=Getty Images

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 サッカーの試合で最も観衆が沸く場面といえばゴールシーンだが、その他にも盛り上がるシーンはたくさんある。強烈でクリーンなタックル、ピンポイントのサイドチェンジ、フェアプレーなど。そんな中でも観客が思わず「ヘーイ!」と声をあげてしまうのが“股抜き”だろう。

 やられた選手にとっては屈辱的なこのプレー。英国では「ネトメグ(Nutmeg)」と呼ばれているが、ストリートサッカー界では「Panna(パナ)」として定着しており、その専門の競技があるほどだ。呼び方はどうであれ、「股抜き」は全世界共通の“盛り上がりテクニック”である。

 このような足技が得意なのはやはり南米の選手で、アトレティコ・マドリードのウルグアイ代表FWルイス・スアレス(35歳)は、リヴァプール時代にその神業的なテクニックで何度も敵の股を抜いており、「スアレスは人魚の股を抜ける」とアンフィールドにバナーが掲げられたほど。

 実際に人魚の股を抜くのは難しいと思うが、では今シーズンの欧州5大リーグでは誰が“股抜き王”なのか? データサイト『FBREF』のスタッツを参考にランキングを見てみよう。

■9位タイ〜8位

 トップ10には世界的なアタッカーが名を連ねている。9位タイにランクインしたのは、今季ここまでラ・リーガで得点ランク2位の13ゴールを叩き出しているレアル・マドリードのブラジル代表FWヴィニシウス・ジュニオール(21歳)である。恵まれたフィジカルと類まれなテクニックを有する同選手は、得点力も覚醒してゴールを量産しているが、もちろん得意のドリブルも忘れておらず、ドリブル成功数はニューカッスルのアラン・サン・マクシマンに次いで欧州5大リーグで第2位。そのテクニックで「9回」も敵の股を抜いており、股抜きランキングで9位に入った。

 そのヴィニシウスを抑えて今季のラ・リーガで最多の“股抜き”を記録しているのは、レバンテのFWホセ・ルイス・モラレス(34歳)だ。腕章を巻くベテランアタッカーは、チームが最下位に低迷するなかで華麗な股抜きを披露しつつ、チーム最多の7ゴールとひとり気を吐いている。「10回」の股抜きはラ・リーガで1位、欧州5大リーグでは8位となっている。

■7〜4位

 7位は、ドイツのビーレフェルトに所属するオーストリアU-21代表のパトリック・ヴィマー(20歳)で「11回」だ。昨夏オーストリア・ウィーンから加入したウィンガーは、今季ここまでブンデスリーガで3得点6アシストの数字を残しているほか、ドリブル成功数でも上位につけている。日本を代表するドリブラー、奥川雅也と共に攻撃の中心に君臨し、チームを残留に導こうとしており、今後のステップアップに注目したい。

 次の「12回」は3名おり、彼らが4位タイで並んでいる。ブンデスリーガ屈指の高速アタッカーとしいて名を馳せるレヴァークーゼンのフランス代表FWムサ・ディアビ(22歳)、リーズで背番号10を背負うブラジル代表のハフィーニャ(25歳)、そしてセリエAで9得点7アシストと活躍しているヴェローナのFWジャンルカ・カプラーリ(28歳)だ。

■3〜2位

 ここからはトップ3だが、3名ともプレミアリーグの選手となっている。まずはマンチェスター・ユナイテッドのサイドアタッカー、ジェイドン・サンチョ(21歳)だ。股抜きランクの常連は、ドルトムント時代の昨季には「16回」でマーカス・ラッシュフォード、ネイマールに次いで3位だった。ユナイテッドでの1年目となった今季は、なかなか本来の力を発揮できずにリーグ戦2得点2アシストと燻っているが、それでも股抜きテクニックは健在で「13回」を記録している。

 サンチョと並び2位タイの「13回」を達成しているのは、バルセロナからウォルヴァーハンプトンにローン加入したポルトガル代表のフランシスコ・トリンコン(22歳)だ。まだリーグ戦ではゴールとアシストがないものの、9月のワトフォード戦では敵のMFピーター・エテボの股を抜いてシュートに持ち込むなど得意の左足で確かなテクニックを披露している。

■1位

 最後に、現時点で“股抜きランキング”の堂々1位に立っているのは、ワトフォードに所属するナイジェリア代表FWエマヌエル・デニス(24歳)だ。今季ベルギーのクラブ・ブルッヘから加入したアタッカーは、降格圏に身を置きながら、加入1年目からプレミアリーグで9ゴール5アシストと躍動している。

 得意のパターンは快速ドリブルから敵の股を抜いて入れ替わるプレー。12月のチェルシー戦では、敵DFの股を抜いてファウルを誘ったほか、前半終了間際にはドリブルで仕掛けていきボックス内に入ってDFアントニオ・リュディガーと対峙すると、一度またぎフェイントで揺さぶったあとに右足のインサイドでリュディガーの股を抜くシュートをサイドネットに沈めて見せた。

 その他にも今年2月のアストンヴィラ戦でも2度の股抜きを披露しており、今季ここまで欧州5大リーグで最多となる「17回」を達成している。果たして、このままデニスが今季の“股抜きキング”に輝くのか、今後も各リーグの“ネトメグ”に注目したい。

■今シーズンの欧州5大リーグ“股抜きランキング” (データ『FBREF』)
1位 エマヌエル・デニス(ワトフォード) 17回
2位 ジェイドン・サンチョ(マンチェスターU) 13回
2位 フランシスコ・トリンコン(ウォルヴァーハンプトン) 13回
4位 ムサ・ディアビ(レヴァークーゼン) 12回
4位 ハフィーニャ(リーズ) 12回
4位 ジャンルカ・カプラーリ(ヴェローナ) 12回
7位 パトリック・ヴィマー(ビーレフェルト) 11回
8位 ホセ・ルイス・モラレス(レバンテ) 10回
9位 ヴィニシウス・ジュニオール(レアル・マドリード) 9回 他4名

(記事/Footmedia)

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