阪神 育成ドラ1・工藤 157キロ甲子園デビュー「結構広く感じた」 実戦4戦連続零封で支配下へ大前進
2025年3月6日(木)5時15分 スポーツニッポン
◇オープン戦 阪神4—7中日(2025年3月5日 甲子園)
支配下昇格へ聖地で圧巻デビューを飾った。阪神育成ドラフト1位の工藤(四国・徳島)が、1回1安打無失点と好投。この日は最速157キロを計測した直球に加えて変化球でも三振を奪い、底知れぬポテンシャルを誇示した。
「できれば真っすぐで抑えたいところだった。坂本さんから変化球のサインが出て、それで決めろっていうことで。ゾーンに思い切り投げて結果、三振になって良かった」
9回から7番手で登板。1死から対峙(たいじ)した鵜飼に12球粘られたが、最後は138キロスライダーで空振り三振に仕留めた。小さく吠え、価値あるアウトをかみしめた。直前まで5球連続で150キロ超え直球。直球あっての変化球を体現するパフォーマンスで、根比べを制した。
「甲子園は人生初めて。狭いと聞いていたんですけど結構広く感じて。バッターも遠く感じた。凄くいい経験になった」
初めて上がった聖地のマウンド。腕を振るたび、球速に反応するスタンドからどよめきが起きた。「応援、歓声は(耳に)入っていました」。剛腕ならではの楽しませ方で虎党のハートもつかんだ。
これで2軍戦を含めて、今春実戦は4戦連続零封。支配下登録へまたまたまた前進したことは間違いない。藤川監督からも「チームの仲間も、びっくりしたのではないかなと。その存在の強さに。この先、一緒に戦いたいというような投球に見えた。また、しっかり(支配下昇格を)考えたい」と称賛された。
「初登板で力も入ってしまった。力まず楽に投げたい」と工藤。背番号127の姿を目にする日も、残り少ないのかもしれない。(遠藤 礼)
◇工藤 泰成(くどう・たいせい)2001年(平13)11月19日生まれ、秋田県出身の23歳。明桜(現ノースアジア大明桜)では3年夏の秋田大会準優勝で甲子園出場なし。東京国際大を経て24年は四国・徳島でプレーし、リーグ最多タイの8勝。24年育成ドラフト1位で阪神入り。1メートル77、82キロ。右投げ左打ち。