冴えた佐々木朗希の“魔球” 極端な変化量と落差に米記者が仰天「思っている以上に厄介」「基本的に打てないボールだ」
2025年3月6日(木)16時30分 ココカラネクスト

3イニングだが、レッズ打線を見事に手玉に取った佐々木。(C)Getty Images
日本で異彩を放った“怪物”の片りんに、米球界が騒然となった。
話題の存在となっているのは、現地時間3月4日に米アリゾナ州グレンデールで行われたレッズとのオープン戦に登板したドジャースの佐々木朗希だ。
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上々の初マウンドだった。先発した山本由伸に次いで5回から登板した佐々木は、3回(46球)を投げ、被安打2、無失点、5奪三振、2四死球と好投。得点圏にランナーを置く場面こそあったが、最速99.3マイル(約159.8キロ)をマークしての奪三振ショー。危なげなく無失点で切り抜けた。
本人も「いい方向には来ていると思う」と手応えを口にした“デビュー”マウンドにあって、とりわけ異彩を放ったのは、切れ味抜群のフォークだった。この日に奪った三振のうち4つは高校時代から磨き上げてきた伝家の宝刀で奪取。また、打者がスイングした8球中7球で空振りとするなど、レッズ打線の苦闘ぶりがうかがえるスタッツも浮かび上がった。
佐々木が投じた文字通りの“魔球”は、米メディアでも大きくクローズアップされた。MLBの公式サイトで執筆するデビッド・アドラー記者は「ササキのスプリットは我々が思っている以上に厄介なものかもしれない」と指摘。「彼の投げるそれは基本的に打てないボールだ」と論じた。
佐々木の“魔球”がいかに際立っているかを深掘りする同記者は、この日の平均回転数が毎分わずか518回であると強調。「まるでナックルボールのようだ。ササキは回転を殺してしまう極端なスプリッターを投げている」と仰天した。
また、「落差はとんでもない」とも論じるアドラー記者は、こう続けている。
「極端に言えば、テーブルから物が落ちるような落差だ。彼の“スプリッター”は、ありとあらゆる角度から見てトップクラスだ。この火曜日に投げたスプリッターの落差の平均は43インチ(約109.2センチ)だった。これは昨シーズンにメジャーリーグで投げられたどのスプリッターよりも落差(41インチ=104.1センチ)が大きい」
米球界でも稀有な一球として声価を高める佐々木のフォーク。「この球種は非常に珍しい。どちらの方向にも曲がる可能性があるため、予測は不可能だ。地球上で最も厄介な球の一つに見える」と激賞される魔球は、シーズン中も強打者たちを翻弄しそうだ。
[文/構成:ココカラネクスト編集部]