SBK :チャビ・ビエルゲがTeam HRC2年目で初表彰台「なかなかたどり着くことができなかったから本当に嬉しい」

　3月3〜5日、2023年SBK第2戦インドネシアラウンドがマンダリカ・インターナショナル・ストリート・サーキットで開催された。レース2では、チャビ・ビエルゲ（Team HRC）がSBKでは初となる表彰台を獲得した。

　ビエルゲは、前戦の第1戦オーストラリアではリヤタイヤのトラクション不足に苦しんでいた。一方で、金曜日と土曜日の2日間に渡って行われたフリー走行では「いいフィーリングを取り戻すことができた」と語るほど、快調にラップを重ねていた。

　ところが、土曜日に行われたスーパーポールではミスがあったことにより1分33秒094の13番手となってしまう。追い上げのレースとなったレース1では、好スタートを切って着実にポジションを上げ、最後まで安定したレース展開を見せて7位でフィニッシュした。

　最終日となった日曜日、この日はスーパーポール・レースとレース2ともに転倒者が多く赤旗中断となるやや荒れたレースとなった。午前に行われたスーパーポール・レースでは、ビエルゲは13番手からのスタートとなったが、またも安定したレース運びを見せ、レース1を上回る6位を獲得した。

　今大会の最後のレースとなるレース2では、ビエルゲは6番手という好グリッドから抜群のスタートを切って、トップを走るマイケル・ルーベン・リナルディ（Aruba.it Racing – Ducati）と2位のトプラク・ラズガットリオグル（Pata Yamaha Prometeon WorldSBK）に次いで3番手にポジションを上げて序盤からトップ争いに加わる。

　しかし、6周目にマイケル・ファン・デル・マーク（ROKiT BMW Motorrad WorldSBK Team）とフィリップ・エッテル（Team GoEleven）のふたりが転倒を喫したことにより、赤旗中断となった。その後、14周で再開されたレースでは、中断された時点での順位となる3番手からスタートし、再びビエルゲはトップを追撃していく。

　白熱したトップ争いが展開されるなか、トップのリナルディ、2番手のアルバロ・バウティスタ（Aruba.it Racing – Ducati）、3番手のラズガットリオグルに次いでビエルゲは4番手とひとつポジションを落としてしまう。しかし、ファイナルラップで2番手を走行していたリナルディがコースアウトを喫したことで3番手に浮上したビエルゲは、そのままポジションをキープして3位でチェッカーを受けた。

　ビエルゲ自身、昨2022年シーズンは怪我に苦しんだシーズンとなってしまったが、2023年シーズンは万全の体調で挑んでいた。そんな彼がTeam HRCに加入して2年目を迎えた14戦目にして、念願の初表彰台を獲得した。今大会終了時点では、43点でランキング7位となっているが、幕が開けたばかりの2023年シーズンにさらなる表彰台獲得と優勝を目指して戦っていく。

■Team HRC
チャビ・ビエルゲ（スーパーポール：13番手、レース1：7位、スーパーポール・レース：6位、レース2：3位）
「攻めの走りができるすばらしいマシンを用意してくれたチームに感謝したい。本当にうれしいよ。昨年から一生懸命取り組んできたが、表彰台にはなかなかたどり着くことができなかった。シーズンのスタートは決して順調ではなかったが、チームは僕のことをしっかりサポートしてくれたよ」

「そして、インドネシアで、いいフィーリングとスピードを見つけることができ、レースウイークを通して前進することができたんだ。今日はレースが2つあり、赤旗も2度出たので簡単な日ではなかったよ。しかしスーパーポール・レースでは13番手から6位まで上がることができた。そのおかげでレース2は2列目からスタートすることができ、いいペースとスピードで3位表彰台を獲得したんだ」

「チームは今回も僕をサポートしてくれた。僕も彼らを信頼し、最後まで全力でがんばったよ。リナルディがコースアウトし、僕のタイヤも限界だったが、それでもミスをしなかった。表彰台獲得は、そのご褒美だね。僕たちはレースするたびに前進してきた。引き続きこの調子で今後のラウンドもベストを尽くしていくよ」