日本代表・森保一監督、“常連メンバー”で世界最速W杯切符だ…20日バーレーン戦勝利で決定
2025年3月14日(金)6時15分 スポーツ報知
日本代表のメンバーを発表する森保監督(カメラ・中島 傑)
日本サッカー協会は13日、26年北中米W杯アジア最終予選・バーレーン戦(20日)、サウジアラビア戦(25日=ともに埼玉)に臨む日本代表メンバー25人を発表した。C組首位の日本はバーレーン戦に勝てば、3試合を残して日本史上最速、各大陸予選に参加している全45か国の中で最速の突破で、8大会連続8度目のW杯出場が決定。同組の他の試合結果次第では、引き分けでも予選突破が決まる。
サプライズゼロ、初招集なし。W杯出場は決定的な状況だが、森保一監督(56)は石橋をたたいた上で“常連”25人を選出した。「まずはW杯の出場権獲得に全力を尽くす」と誓い、さらなる高みも見据えた。「出場権獲得がゴールではない。我々のゴールはW杯での世界一。これからの成長も踏まえ戦っていく」。この「これからの成長」という部分に、バーレーン戦の勝利は欠かせない。
バーレーン戦は、2つの「最速」記録がかかる。日本史上初めて、3試合を残して突破する「過去最速」。そして「世界最速」だ。森保監督は、この2点について「メリットしかない」とうなずいた。26年6月のW杯開幕まで、ライバル国よりも長い1年3か月もの準備期間が得られるからだ。
前回22年W杯出場国のサウジアラビア、オーストラリアを含む最終予選3試合を消化試合にできれば、切符獲得に本気の相手に対し、さまざまなテストが行える。18、22年の予選時は消化試合が1試合のみで、機会は限られた。森保監督は「選手を多く試すことができる。戦力となる選手の数を増やすことができる」と見据える。
ピッチ外でもメリットは大きい。「(W杯からの)逆算という点では素晴らしく意義のあること」と山本昌邦ナショナルチームダイレクター(66)。ライバルの視察、キャンプ地選定などで優位に立てるほか、9月にW杯開催国・メキシコとの対戦が候補に挙がっているように、9、10、11月の強化試合のマッチメイクでも、ライバル国に先手を打つことができる。
W杯組み合わせ抽選では、FIFAランクが高ければ高いほど強豪との対戦が避けられる可能性も上がる。現状の15位から少しでも上げることも重要だ。「気を引き締めていく」。2つの「最速」の称号を得ることで、森保ジャパンの視界は大きく広がる。(岡島 智哉)
◆各大陸予選の現況 出場全48チームのうち、出場が確定しているのは開催国の米国、メキシコ、カナダだけ。現時点で予選突破に“王手”をかけているのは日本のみで、20日に勝てば世界最速での突破が決定。引き分けでも、他国の結果次第で突破となる可能性もある。次点はトーナメント制のオセアニア代表(1枠)で、21日に準決勝、24日に決勝が行われる。25日には南米のアルゼンチン、アジアの韓国やイランが突破決定の可能性を残す。アフリカ予選は10試合のうち4試合を消化した段階で、欧州予選、北中米カリブ海予選は3月に開始となる。