DTM:BMWのプライベーターの参戦はなしか? 候補チームとの交渉は決裂との噂

2019年3月17日(日)15時15分 AUTOSPORT web

 2019年からDTMドイツ・ツーリングカー選手権には、撤退したメルセデスAMGに代わってアストンマーティンを走らせるRモータースポーツが参戦。また、アウディのプライベーターチームが参戦すると言われている。ただ、同じくプライベーターが参戦するのではと言われていたBMWだが、どうやら今季は出場するチームはないという噂が上がっている。


 今季からプライベーターの参加が可能となったDTMだが、昨年12月に行われたBMWモータースポーツ・スポーツトロフィーの会場で、BMWモータースポーツのイェンス・マルカルト代表は招待記者との囲み取材のなかで「現在、候補チームと詳細を話し合っている途中で、いい方向へ向かっている」とコメントをしていた。


 その際には、M6 GT3のカスタマーチームであり、ミネラルオイル製造会社の直営チームであるローヴェ・レーシングとの交渉は認めていた。そしてもうひとつの候補チーム名は明かされなかったが、その後さまざまな方面からの情報を総合すると、ジュニアフォーミュラを中心に活躍するモトパークが候補であることが分かった。モトパークはドイツのオッシャーズレーベンを本拠地とするチームで、昨年は創立20周年。今季はB-MAX Racing Teamと組み、スーパーフォーミュラへの参戦も決めているチームだ。


 ただ、3月4日〜6日にスペインのヘレスで行われた2019年最初のITR合同テストでは、各メーカーのテスト車両は1台ずつのみの参加という規定ではあったものの、現場にはローヴェとモトパークの関係者の姿は見られなかった。開幕まで2か月を切った現在までアナウンスがないという状況からも、今季のBMWのプライベーターの参戦は実質的にないと考えられそうだ。


 ローヴェは今季、ブランパンGTシリーズ・エンデュランスカップではBMW M6 GT3からポルシェ911 GT3 Rにスイッチしており、BMWでのDTM参戦に向けた交渉は終了したものと考えられている。また、ニュルブルクリンク24時間レースにはM6で参戦を表明しているものの、ニュルの後はBMWとの契約も終了するとBMWモータースポーツ関係者が語っている。


 一方モトパークも、DTMの併催レースであるフォーミュラ・ヨーロピアン・マスターズにも参戦することから、フォーミュラでの活動に集中するものと見られている。チームに出入りしているサプライヤー関係者によると、DTM参戦は断念したとの情報が入っている。


 2018年までは3メーカーとも全車がワークス体制のみで行われていたDTMだけに、その参戦費用はプライベーターにとっては非常に高額で、2台体制の1シーズン参戦費用は50〜70万ユーロ相当(約6億4千万円〜8億9千万円)と噂されており、新規にプライベーターとしてDTMに参入するアウディのWRTや、Rモータースポーツのように、チームの母体に潤沢な経済基盤は必須となるようだ。


「カスタマーチーム用のテクニカルなサポートパッケージの準備は整っているが、参戦費用のサポートはBMWモータースポーツとしては一切しいない」とマルカルト代表が以前から明言しているように、チームは独自にかなり高額なバジェットを用意する必要があることからも、プライベーターのDTM参戦には非常に高い経済的なハードルを越える必要があるようだ。

新型ポルシェ911 GT3 Rを走らせるローヴェ・レーシング
第65回マカオグランプリですでにコラボレーションがスタートしたB-MAX Racing Teamとモトパーク


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