「今レースを開催するのは無責任」ブエミ、フォーミュラEに全幅の信頼。開催延期や中止を支持

2020年3月17日(火)16時58分 AUTOSPORT web

 ニッサン・e.ダムスからABBフォーミュラE選手権に参戦するセバスチャン・ブエミは、社会が新型コロナウイルスの世界な拡大と戦っている時にモータースポーツが継続して開催されるのは、非常に“無責任”なことだと述べている。


 フォーミュラEは先週末、最新の状況を鑑みて、2019/20年シーズンのレース開催を少なくとも2カ月間凍結することを発表した。つまりフォーミュラEは、すでに延期が発表された三亜とジャカルタに次いで、この2ヶ月の間に予定されていたパリとソウルでのレース開催も見送ることになる。


 現在予定されている次のレースは6月のベルリンであり、その次はニューヨークで行われる。シーズン最終戦のダブルヘッダーは7月25日と26日にロンドンで開催予定だ。


 レース開催の凍結が発表された3月13日、F1はメルボルンでの開幕戦オーストラリアGPを中止せざるを得なかった。アメリカではインディカーおよびNASCARのレース中止や延期の発表が続き、WRC世界ラリー選手権では、第3戦の舞台であるメキシコが渡航制限を課すこと受けて競技日程が短縮された。


 ブエミは、フォーミュラEが高まる危機に対して正しいアプローチをとったと考えており、世界中でレースが中断されることを完全に支持している。


「今はなによりも、イベントを開催することのイメージが悪いし、そうすることはおそらく無責任だろう」と2015/16年シーズンのチャンピオンであるブエミは『The-Race.com』に語った。


「レースを推し進めようとしたら、世論がどう反応するのか正直なところ分からない。先を見通して考えるべきだよね?」


 ブエミの意見では、現在新型コロナウイルスが発生していない場所を代替地として探すことも間違いであること考えているという。


「決定する頃には、行こうとしている場所に多くの感染例が出ているだろう。基本的にはもう不可能だ。ある時点では止まって待つことが得策だと思う」


 2011年にトロロッソF1のレースシートを失って以降、ブエミはフォーミュラEが創設されてから、2レースを除いてすべてのレースに参戦している。ブエミは61戦に出走して13回の優勝を飾っており、同選手権において最も成功しているドライバーのひとりだ。


 そのためブエミは引っ張りだこであり、モータースポーツの世界で他にも多くの役割を担っている。F1ではレッドブル・ホンダでリザーブドライバーを務めるほか、TOYOTA GAZOO RacingからWEC世界耐久選手権にも参戦している。


 つまり延期されたイベントが今年の後半にスケジュール変更されて集中してしまうと、日程が重複してしまう問題が必ずや生じることになる。しかし現在のところブエミは、“待ちながら様子を見る”アプローチをとっている。


「僕はまだすべてのことを完全に把握しているわけではない。当初の予定では、家で過ごして休息をとるという計画だったと思う。1月の初めから全開でやってきたからね」


「もちろんエンジニアと話すことはできる。フランスに行ける限りはシミュレーターを使えるから、できることは今もたくさんある。できることは何でもするということだ。僕はフォーミュラEが決定したことに全幅の信頼を寄せている」


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