2度のアクシデントを挽回。全力を注いで得た勝利は「ル・マン優勝に匹敵」とバンバー/セブリング12時間

2022年3月21日(月)9時5分 AUTOSPORT web

 アメリカ・フロリダ州のセブリング・インターナショナル・レースウェイで3月19日に行われた、IMSAウェザーテック・スポーツカー選手権第2戦セブリング12時間で、“ダブル・カムバック”を経て優勝したアール・バンバーは、この勝利を2015年のル・マン24時間レースでの総合優勝に「匹敵する」ものとして位置づけている。


 自身3戦目のDPiレースとなったフロリダの耐久クラシックで初めて総合優勝を果たした“キウイ”ドライバーはレース終盤、最後の1時間と15分の間にふたつのアクシデントで順位を落としたが、これを挽回しチップ・ガナッシ・レーシングが運営するキャデラック・レーシングの02号車キャデラックDPi-V.Rを優勝に導いた。


「ひどいドライビングのせいで、素晴らしいドライビングが台無しになるところだった」とバンバーはSportscar365に語った。


「クルマは素晴らしく、僕たちは(勝つために)充分なリードを築いていた。ピットアウトしたとき、LMP3カーがもう少し早く(ターン1)をクリアすると思ったんだけれど、それはミスジャッジで相手をスピンさせてしまった。だからそれは僕のせいだ」


「ドライブスルーペナルティをもらった後のペースは良く、5号車(キャデラックDPi-V.R/JDCミラー・モータースポーツ)に追いつき、オーバーテイクすることができた」


「そして(すぐに2回目のアクシデントが起きた。)ターン15/16でGTカーが寄ってきて、僕のクルマに接触してきたんだ」


「でも僕たちは本当にラッキーだった。クルマにダメージはなかったんだ」


「決勝でのクルマはとても速かったよ。デイトナ以降、ガナッシのショップで作業を続けてくれた皆には脱帽だ。僕たちはデイトナでも速いクルマを持っていたが、そのポテンシャルを示すことができなったから、今回はそれを見せることができたのは素晴らしいことだ」


「もう本当に疲れ切った。けど、これは明らかにスーパースペシャルなことだった。キャデラックに移籍して早々にセブリングで総合優勝を果たし、またひとつビッグクラシック(のタイトル)を手にすることができたのだからね」


「このレースでの勝利は、2015年のル・マンに匹敵するものだ。本当に素晴らしいよ」


■再逆転のために「すべてを出し切った」


キャデラック・レーシングの02号車キャデラックDPi-V.R 2022セブリング12時間

 リチャード・ウエストブルックがドライブする5号車キャデラックを逆転することに疑いはなかったのかと尋ねられたバンバーは、「あれだけリードを奪われたら、2位で戻ってくるわけにはいかない」と答えた。


「僕はただすべてを出し切っただけだ」と彼は言った。


「クルマの状態が良かったからドライブしやすかった。しかし、僕は勝利を得るために全身全霊を注いだ」


 バンバーは、彼らが激戦のレースでトラックポジションを獲得するために「一日中苦労していた」と言い、レースの中盤以降にクルマが生き返ったと述べた。


「僕たちはタイヤを変え続けていたが、何人かはそのタイヤを履いていなかった」と彼は説明した。


「02号車のクルーは新しいメンバーで、僕たちはまだ戦略を学んでいるところなんだ。タイヤに関してもそうで、正しいと思ったことをしたがトラックポジションを失い続けた」


 バンバーは残り1時間を切ってふたたび2番手となったとき、5号車を交わせないのではないかと「少し心配」したという。


「僕たちが前に出ればすぐに差を広げられることは分かっていたし、実際にそうなった。5号車をパスできないのではないかと少し心配もしたけど、何とかトラフィックの中で彼に追いつき、ターン16で捉えることに成功した」


「それからはギャップを維持していただけで、僕はトラック上の何かについて非常に慎重になっていた」


「エアがクリーンな状態であれば(後続を)引き離せる速さがあるのは分かっていた。それが一番の課題だったんだ」


「今日は他車をパスするのが本当に難しかった。すべてのクルマがすぐ近くを走っている状態が続き、レース中盤までは付いていくのも困難だったんだ。予選でほぼ全員が10分の1秒以内の差で並んだように、誰かが2秒遅いというような状況ではなかった」


「レースで一番速かったとは、とても思えない。現在の競争力を示しているだけだと思うよ」

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