ドライバー一新のTEAM MACH藤波清斗&塩津佑介コンビ「優勝を目標に内容が濃いレースを」

　3月23〜24日に行われたスーパーGT富士公式テストを経て、いよいよ2024年のスーパーGTは開幕を迎える。GT300クラスでも多くのラインアップが確定したが、古豪TEAM MACHは、今季藤波清斗と塩津佑介のコンビで戦うことが富士公式テスト直前に発表された。ふたりに今季への意気込みを聞いた。

　唯一の存在となったGT300マザーシャシーの86 MCを2024年も走らせるTEAM MACHは、これまでドライバーラインアップを正式に発表していなかったが、富士公式テストを前にした3月22日、藤波、塩津がそれぞれのSNSで今季の参戦決定を発表していた。ふたりは『マッハGOGOGO』のカラーリングをまとうマッハ車検 エアバスター MC86マッハ号をドライブする。

　2020年、2022年のGT300チャンピオンである藤波にとっては、一年ぶりのスーパーGT復帰だ。2023年末まではニッサン／ニスモとの契約があったことから交渉が遅くなってしまったものの、「こうしてスーパーGTという舞台にいることが大切だと思っていますし、やっぱり嬉しいです。SNSで発表したときにファンの皆さんからも温かい声をかけていただきました」と藤波は何よりスーパーGTを戦えることを喜んだ。

　そして藤波にとって、TEAM MACHは思い出深いチームでもある。2017年GT300デビューを遂げたときの所属チームだ。ただその時と同じ86 MCではあるが、個体は異なっている。「個体の違いについてはそれほど違和感はないですね。GT-Rとはまた性格が違うので、その点はしっかり対応したいと思います」と藤波はひさびさの86 MCについて語った。

　一方、藤波とコンビを組むことになったのは、これまでGAINERで第3ドライバーを務めてきた塩津だ。彼も同様に、年末に今季に向けた交渉を開始したのだという。「GAINERさんの体制が大きく変わるとのことで、チームとして開発もあるし『まだ若いんだからチャンスがあるところを探しておいで』と言ってくださいました」という。

「そこで、応援してくださっている方の友人がオーナーと友だちで、九州にご挨拶にいったことがこのシートにつながりました」

　若き塩津にとっては、GT300車両はまだニッサンGT-Rしか経験がなく、86 MCは大きく性格が異なるマシン。「それこそGT300の中でも最重量級と最軽量級くらいの違いがあり、最初は戸惑ったところもありました」というが、どちらも良く知る藤波がコンビという点は心強い。

「清斗くんがもともとGT-Rに乗っていたこともありますし、分かりやすくアドバイスしてくれています。僕にとっては願ったり叶ったりのパートナーなので、たくさんのことを吸収していきたいですね」と塩津は笑顔をみせた。

　塩津については藤波も「彼もレギュラーを獲るためにもがいてきたと思いますし、僕は僕で、彼は彼でいろんな思いがあると思うので、それをぶつけていきたいと思います」と期待を寄せている。

　ここまで岡山国際サーキット、富士スピードウェイと2回のテストをこなしてきたTEAM MACHだが、なかなか上位には進出できてはいない。ただそれというのも、気温が低すぎるためだ。「今の段階ではちょっとタイヤの温度レンジが外れすぎてしまっている」と藤波は言う。

　しかし、これから気温が上がってくれば本来のパフォーマンスをみせることができるはずだとふたりは自信をみせた。

「そこさえなんとかなれば上にいけると思いますし、得意、不得意なコースがあるので、得意なところでなんとか一撃みせられればと思っています」と藤波。

　藤波が言う得意コースは、もちろんチームにとって最も相性が良い鈴鹿だ。「ターゲットはまずそこにおいています。もちろん他にもチャンスはあると思いますけどね」と藤波。塩津も「軽さを活かしたレースをしていきたい」と意気込む。

「しっかり優勝を目標に掲げて、内容が濃いレース、パフォーマンスをみせられるようにしたいと思います」というふたりは野心に満ちた表情を浮かべた。ドライバーラインアップを一新したチームにとっても、86 MCでの優勝は悲願でもある。その願いを叶えられるか注目だろう。

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