プロ野球オンラインカジノ問題、8球団16人に制裁金総額1020万円…最高額は300万円
2025年3月25日(火)6時30分 スポーツ報知
日本野球機構(NPB)の内部組織、日本プロフェッショナル野球組織と12球団は24日、違法オンラインカジノ利用者が確認された問題でオリックス・山岡泰輔投手(29)を含めた8球団16人に制裁金総額1020万円を科すと発表した。都内で会見したNPB・中村勝彦事務局長は「軽い罰ではない」と重く受け止め、再発防止を含め啓発活動と指導を行っていくとした。
2月にオリックス・山岡による違法オンラインカジノ利用が発覚してから1か月がたち、ようやく“オンカジ問題”に対する処分が決まった。
会見には中村事務局長とセ・パ各リーグで理事長を務める広島・鈴木清明球団本部長、楽天・井上智治取締役が出席。中村事務局長は「私たちはこの事態を重く受け止めており、12球団を代表しておわび申し上げたいと思います」と謝罪した。
これまで山岡を含め8球団15人とされていた利用者は、20日の締め切りまでに新たに1人が自主申告し16人に。各人に対し、各所属球団は使用した携帯電話やPCなどの利用履歴、銀行、クレジットカードの出入金記録から賭けの回数、期間、頻度、賭け金(総額、1回あたりの金額)、直近の賭けの時期などを調査した。野球を対象としたスポーツ賭博の利用は確認できなかったというが、1人あたり10〜300万円の制裁金(総額1020万円)を科すこととなり、中村事務局長は「軽い罰ではない」と、沈痛な面持ちで事態の深刻さを受け止めた。
今回の問題は、野球協約第3条に定める「野球を社会文化的公共財とするように努める責任がある」点に反するとして選手、チーム関係者等に多数のオンラインカジノ利用者が生じたことについて「指導、教育を行う責任がある」と指摘。全12球団とNPBが制裁金と合わせて計3000万円をギャンブル依存症対策等に取り組む団体に寄付することが決まった。
NPBは今後も自主申告者や警察の調査などにより新たな利用が判明した場合には「各球団厳正な調査を実施した上で適切に対応していく」としている。
◆球界のオンラインカジノ利用を巡る経緯
▽2月18日 オリックスが山岡と面談。利用の事実を把握。
▽20日 オリックスが選手、スタッフ、チーム全員に調査。その時点で山岡のほかに利用者がいないことを確認。NPBは12球団に対し、利用者がいる場合、自主的に名乗り出るよう要請。
▽21日 キャンプから帰阪した山岡が大阪府警に相談。違法性の認識はなかったというが、球団は事実上、無期限の活動自粛を命じたと発表。
▽27日 NPBが調査結果を公表し、新たに7球団14人の利用が判明。14人の実名や肩書は公表せず。
▽28日 NPBの中村事務局長が14人の名前を公表しない理由について「選手とも寄り添ってあげないと、短い選手生命ですからきちんと活動させてあげたい」と説明。
▽3月3日 実行委員会で、榊原コミッショナーが出席者に解決への取り組みや啓発活動の継続を指示。
▽5日 福岡県警がソフトバンクの関係者から任意で事情を聞いていることが判明。
▽13日 日本プロ野球選手会が公式サイトで謝罪文を掲載。
▽20日 自主申告が締め切られる。
▽21日 山岡が3週間の自粛期間を経てチームに合流。選手会はNPBとの事務折衝で、選手の処分は罰金とし、試合出場停止は避けるように求める。
▽24日 NPBと12球団が8球団16人の選手、関係者の利用者に対し、総額1020万円の制裁金を科すと発表。