クセ強スイングでラウンド中はタバコにダイエットコーク 破天荒なジョン・デーリーは今でも大人気

2024年3月28日(木)6時5分 ALBA Net

破天荒な性格とプレーで人気のジョン・デーリー(撮影:GettyImages)

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派手なウェアに金髪のロングヘアーをなびかせてフェアウェイを闊歩するジョン・デーリー(米国)。まだタイガー・ウッズ(米国)がプロ転向する前のこと、デーリーは誰よりも多くのギャラリーを引き連れていた。



今にもヘッドが地面に届きそうな超オーバースイング。300ヤードを超えるティショットにファンは熱狂し、ついたニックネームは“ロング・ジョン”。1997年には、PGAツアーで年間の平均飛距離が300ヤードを超えた最初の選手となった。

デーリーがゴルフ界に彗星のように現れ、“シンデレラボーイ”と呼ばれたのは91年の「全米プロゴルフ選手権」だった。プロ3年目、25歳のデーリーは出場資格がなく補欠9番目だったが、この年は欠場者が続出。ニック・プライス(ジンバブエ)が棄権したことで、ギリギリで出場資格を得た。デーリーは会場に駆けつけ、プライスからキャディも譲り受けると、2日目に首位に立ち、そのままツアー初優勝をメジャーで挙げる快挙。あっという間にゴルフ界のスターダムへと駆け上がった。



型破りなのはスイングだけじゃない。破天荒な性格は常に注目を集めた。今はリハビリを受け立ち直っているが、「8歳頃から酒を飲み始め」、アルコール依存症だったという。「ウイスキーは90年にやめた」が、「ビールはやめない」と公言していたほどだった。ラウンド中は常にたばこをくわえ、手にダイエット・コークを持ち「水は一滴も飲まない」。

ギャンブル好きでも知られ、2005年の「WGCアメリカンエクスプレス選手権」でウッズとのプレーオフに敗れるとそのままラスベガスに直行し、賞金を全て使い果たした。コース外ではミュージシャンとしても活躍、3枚のアルバムを発表している。体重増加から09年には胃の上部にバンドを巻く手術を敢行し、食事制限で約45キロ減量した。20年には膀胱がんを発表したが、手術に成功している。



21年には息子の“リトル・ジョン”ことジョン・デーリーⅡとペアを組み、「PNC選手権」でウッズ親子を制して勝利。「人生のハイライトの一つだ」と喜んだ。現在57歳、昨年はPGAツアー・チャンピオンズ(米シニアツアー)の13大会に参戦。「まだまだ現役を続行する」と意欲を見せている。(文・武川玲子=米国在住)



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