MotoGP第1戦カタールGP:ドゥカティのバニャイアが初のポール獲得。マルケスのレコードタイムを0.608秒更新

2021年3月28日(日)3時20分 AUTOSPORT web

 MotoGP第1戦カタールGPの予選がロサイル・インターナショナル・サーキットで行われ、フランセスコ・バニャイア(ドゥカティ・レノボ・チーム)が2021年シーズン最初のポールシッターとなった。中上貴晶(LCRホンダ・イデミツ)はQ1からQ2進出を果たし、11番グリッドを獲得している。


 フリー走行3回目はまだ陽がある時間帯に行われ、気温37度、路面温度は49度にまで上昇。さらにこの日はやや強めの風が吹く難しいコンディションとなった。


 セッション開始5分、1周目のタイム計測に入ったところでジャック・ミラー(ドゥカティ・レノボ・チーム)が15コーナーで転倒。初日総合トップタイムを記録しているミラーだが、フリー走行1回目でも4コーナーで転倒を喫していた。


 セッション中盤まではヤマハライダーの3人がトップ3を占める。フランコ・モルビデリ(ペトロナス・ヤマハSRT)がトップ、2番手にマーベリック・ビニャーレス(モンスターエナジー・ヤマハMotoGP)、3番手にファビオ・クアルタラロ(モンスターエナジー・ヤマハMotoGP)が続く状況。その後クアルタラロがトップに立ったが、全体的にタイムは上がらず、誰も前日の自己ベストを更新しないまま残り時間15分を切った。


 残り3分を切ってモルビデリやルカ・マリーニ(スカイ・VR46・エスポンソラーマ)、アレイシ・エスパルガロ(アプリリア・レーシング・チーム・グレシーニ)などがタイムを縮めてトップ3にポジションを上げる。


 最終的にフリー走行3回目を制したのはモルビデリ。2番手がアレイシ・エスパルガロ、3番手がルーキーのマリーニだった。アレイシ・エスパルガロは最後のアタックで、6コーナーで転倒を喫してセッションを終えている。4番手にはアレックス・リンス(チーム・スズキ・エクスター)、5番手にはクアルタラロ。初日フリー走行2回目にフロントブレーキのトラブルが発生した中上貴晶(LCRホンダ・イデミツ)は、7番手だった。


 すべてのライダーが前日の自己ベストを更新しないままセッション終了。結果的に初日の総合トップ10が予選のQ2へのダイレクト進出を決めた。


 フリー走行4回目では、ビニャーレスがトップタイム。2番手に入ったヨハン・ザルコ(プラマック・レーシング)は、362.4km/hのトップスピードを記録した。最高速としては2019年にマルク・マルケス(レプソル・ホンダ・チーム)が記録した352.0km/hがレコードであったが、ザルコがこの記録を10.4km/h塗り替えた。


 3番手はクアルタラロ、4番手はミゲール・オリベイラ(レッドブル・KTM・ファクトリーレーシング)、5番手にはアレイシ・エスパルガロが続き、中上は9番手だった。 


■予選:バニャイア、レコード更新タイムでポール獲得


 2020年シーズン、MotoGPクラスは新型コロナウイルス感染症の影響によりカタールGPでのレースが行われていない。今大会の予選は2年ぶりのカタールGPポールシッターをかけた戦いとなった。予選Q1は気温28度、路面温度30度。ディフェンディングチャンピオンのミル、中上、そしてKTMの4ライダーなどが、Q2進出をかけて争う。


 前半のアタックではミルがトップ。さらにルーキーのホルヘ・マルティン(プラマック・レーシング)が2番手タイムを記録し、この二人に次ぐ3番手には中上がつける。


 残り時間が5分となるころ、後半のアタックが始まった。エネア・バスティアニーニ(エスポンソラーマ・レーシング)がトップに躍り出るが、そのタイムをすぐさまミルが更新。バスティアニーニのタイムをわずか0.005秒上回り、トップに立つ。


 トップがミル、2番手がバスティアニーニ。しかし最後のアタックで、中上が最速タイムを記録した。ミルのタイムを0.151秒上回る1分53秒577をマーク。最後のアタックでトップの座を奪った中上、そして2番手のミルがQ2進出を決めた。


 バスティアニーニは惜しくも3番手だったが、ルーキーながらポテンシャルを見せ、さらに4番手には同じくルーキーのマルティンがつけている。一方、KTM勢はQ2に進めず、開幕戦はオリベイラの15番手が最上位のグリッドという苦しい予選となった。


 続いて2021年シーズン最初のポールポジションをかけたセッション、Q2が始まった。最初に1分53秒台のタイムを記録したのはバニャイア。計測した最初のラップでオールタイムラップ・レコードを更新する1分53秒273をマークすると、クアルタラロ、ビニャーレス、モルビデリという3人のヤマハライダー、さらにミラーも続いてレコードブレイクのタイムを記録。序盤からハイレベルなタイムアタック合戦となった。このなかでトップに立ったのは、1分53秒038を記録したクアルタラロである。


 後半のアタックではバニャイアが再びトップに浮上。ここで1分53秒を切り、1分53秒772を叩き出した。バニャイアはこの最速タイムでMotoGPクラス自身初となるポールポジションを獲得。開幕戦のポールシッターとなった。


 2番手はクアルタラロ、3番手はビニャーレスで、ヤマハのファクトリーライダー二人が並び、さらに4番手にバレンティーノ・ロッシ(ペトロナス・ヤマハSRT)が続いている。バニャイアのチームメイト、ミラーは5番手、6番手にはザルコがつけ、2列目までをドゥカティとヤマハが占める結果となった。


 好調さを見せていたアプリリアのアレイシ・エスパルガロは3列目8番グリッドを獲得。チーム・スズキ・エクスターの二人はアレックス・リンスが9番手、ミルが10番手。ただし、スズキは2020年、この位置から追い上げるレースを何度も見せている。そしてQ1からQ2進出を果たした中上は11番手で、4列目からのスタートとなった。


 2021年シーズンの幕開けとなるカタールGP決勝レースは、3月29日午前2時(日本時間)にスタートする。

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