病床の子どもに希望与える無形の力…DeNA捕手は出場1試合で1万円支援「成績が良ければもっと貢献できる」

2025年4月7日(月)16時0分 スポーツ報知

DeNA・伊藤光

 病床の約束が果たされた瞬間に立ち会って、胸が熱くなった。1月27日、DeNA・伊藤光捕手(35)が、都内にある闘病中の子供とその家族の滞在施設「ドナルド・マクドナルド・ハウスせたがや」を訪問。キャッチボールをした大須賀陽人さん(14)は感謝の思いを込めて左腕を振った。

 幼い頃から野球が大好きで左投手として活躍していた陽人さんに23年10月、肝芽腫(かんがしゅ)が発覚した。24年1月、母からの肝臓移植手術を受けた直後に、日本プロ野球選手会の活動の一環で伊藤が施設を訪問。集中治療室にいた陽人さんに代わり父・康博さん(51)が「治った時にキャッチボールをしてください」と約束を交わした。「憧れのプロ野球選手が応援してくれると思うと力になりました。約束を励みに頑張ってきました」と陽人さん。闘病は続くが「早く元気になって野球をやりたい」と気持ちを新たにした。

 家族の負担を考慮して1人1日1000円で利用できる国内の「ドナルド—」は12か所にあり、全23室の「せたがやハウス」はほぼ満室の状態が続いている。陽人さんの投球を感慨深げに見守った大野一美ハウスマネジャーは「ハウスに滞在中の別のお父さんは、野球少年の息子さんが入院の荷物の中にお守りのように忍ばせていた球にサインをもらったそうです。選手との交流が病気と向き合うお子さんとご家族の励みになっていると感じます」と明かす。

 選手会は3月27日に「ドナルド—」を12球団45選手で支援すると発表した。「出場1試合につき1万円」を掲げ、今オフの施設訪問を楽しみにしている伊藤は「成績が良ければもっと貢献できる」と自身の糧にしている。多くのファンの夢や希望を背負って戦うプロが持つ無形の力。しっかりと字にして読者に届けたい。(野球担当・阿見 俊輔)

 ◆阿見 俊輔(あみ・しゅんすけ) 2020年入社。芸能担当から始まった記者歴は約30年。今年は主にロッテ、侍ジャパンなどを取材。

スポーツ報知

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