聖地・国立競技場で初プレー…デフサッカー日本代表、元Jリーガーらとの対戦に手ごたえ
2025年4月11日(金)15時50分 読売新聞
国立競技場でプレーするデフサッカー男子日本代表のGK松元卓巳=浦上太介撮影
聴覚障害者によるデフサッカーの男子日本代表が、「聖地」国立競技場で初めてプレーする歴史的一戦に臨んだ。0—2で敗れたものの、11月のデフリンピック東京大会(読売新聞社協賛)に向け、収穫の大きい試合になった。
日本フットボールリーグ(JFL)のクリアソン新宿とのエキシビションマッチが今月2日、行われた。国歌斉唱の際、長く代表でプレーする主将のGK松元卓巳(35)は、こみあげるものを抑えきれなくなった。
「昔の仲間たちの思いや今まで苦労してきたことがよみがえってきた。続けてきて良かった。やってきたことが実を結んだ」。日本代表でありながら、土のグラウンドで練習せざるをえなかった日々。普及活動を繰り返し、少しずつ前進して、ようやく聖地のピッチを踏めたことに大きな喜びを覚えた。
地域リーグで活動する選手がほとんどを占める日本代表に対し、元Jリーガーが多数在籍する新宿は、格上とも言える。21分に後方でのパス回しのミスから先制を許し、終了間際にも同様の形で失点した。それでも松元は手応えをつかんでいた。
「ボール回しのミスから失点はしたが、そこはチャレンジした結果。きれいな形でのシュートはなかった。守備力は自信になった」
現役時代、J1柏などで活躍した新宿の北嶋秀朗監督も「ゴール前のところはすごく堅かった。研ぎ澄まされているところを感じた」とたたえた。
2023年の世界選手権で準優勝を果たし、昨年のアジア太平洋ろう者大会で優勝を飾るなどここ数年、日本代表は着実に力をつけている。吉田