駒沢大元主将の鈴木芽吹が涙の1万m初V「今回勝てなかったら一生勝てないくらいの気持ちだった」

2025年4月13日(日)7時35分 読売新聞

矢田みくに(左)を振り切って前に出る広中璃梨佳

 陸上・日本選手権1万メートル(12日・熊本えがお健康スタジアム=読売新聞社など後援)——9月の世界選手権東京大会代表選考会を兼ねて行われ、男子は鈴木芽吹(トヨタ自動車)が27分28秒82で初優勝を果たした。前回覇者の葛西潤(旭化成)が4秒70差で2位。女子は広中璃梨佳りりか(日本郵政グループ)が31分13秒78で2年ぶり4度目の優勝を飾った。男女とも世界選手権参加標準記録には届かず、今大会での代表内定はならなかった。

高地練習成果 初代表へ一歩

 小粒の雨がトラックをたたく中、鈴木は右人さし指を突き上げてゴールした。「今回、本当にチャンスと思っていた。勝てなかったら、もう一生勝てないくらいの気持ちで走った」。ゴール後にはうれし涙を見せながら、晴れ晴れと語った。

 序盤から想定通りのペースで進んだ。「とにかく勝負に徹する」と、前回覇者でパリ五輪代表の葛西を徹底マーク。9000メートルで仕掛けると、振り返ることなく、葛西ら後続を突き放して初の勲章を手にした。

 駒大では4年連続で箱根路を走った。故障に悩まされながら、4年では主将の重責も担った。2024年春の卒業後も、大八木弘明総監督の下で練習を重ね、記録を伸ばしてきた。今回は米アルバカーキで高地トレーニングを実施。その成果もあり、終盤まで「余裕を持って走れた」という。

 大学2年だった21年日本選手権1万メートルで3位に入ってから、世界を目指してきたが、まだ代表経験はない。「最初に(世界大会で)日の丸をつける舞台は東京にしたい」と大舞台を見据え、日本人初の26分台へも「チャレンジする力も、自信もだんだんついてきている」。成長を実感し、夢も広がる快走だった。(井上敬雄)

女子 広中が復活優勝

 女子で2年ぶり4度目の優勝を飾った広中が復調をアピールした。ペースメーカーが離れた8000メートルから矢田みくに(エディオン)との一騎打ち。いったん後ろについて様子を見ると、残り2周から強烈なスパートを放ち、一気に勝負をつけた。東京五輪1万メートル7位の24歳。昨季は故障に悩んだが「この優勝をステップにしていきたい」と笑顔を見せ、世界選手権出場へ意欲を見せた。

ヨミドクター 中学受験サポート 読売新聞購読ボタン 読売新聞

「主将」をもっと詳しく

「主将」のニュース

「主将」のニュース

トピックス

x
BIGLOBE
トップへ