注目ルーキーの中村心は無念のV逸からの気合のリスタート 「本気で優勝したい気持ちが強くなった」
2025年4月17日(木)18時32分 ALBA Net
中村心がコースで調整(撮影:佐々木啓)
<KKT杯バンテリンレディス 事前情報◇17日◇熊本空港カントリークラブ(熊本県)◇6565ヤード・パー72>
プロにとって、「優勝」は誰もが目指す大きなゴール。プロ1年目の中村心は前週の「富士フイルム・スタジオアリス女子オープン」でツアー3試合目ながら2位に入った。正規の18番パー4で決めれば優勝だった2メートルのパーパットを外して突入した3人プレーオフでの惜敗。悔しいV逸は、同時にまだ憧れや夢のような感覚に近かった優勝が、明確な目標になった瞬間でもあった。
「あのパーパットは狙ったところにしっかり打てたので悔いはないです。でも、優勝が目の前にあったので悔しい。優勝したいという気持ちはより一層、強くなりました」
プロとして初めて出場した「Vポイント×SMBCレディス」は37位、続く「アクサレディス」は予選落ちを喫した。「実力差を思い知りました。壁の高さも感じて自信をなくしていた」と心はざわつき始めていた。そんな弱気の虫を自ら抑え込んでの優勝争い。「プレーオフも経験できたし、すごく勉強になった。気持ちは前向きになれました」。優勝にはあと一歩届かなかったが、この世界で戦っていく自信という大きな武器を手にすることができた。
今大会はこれまでの3試合と同じく主催者推薦で出場予定だったが、前週の3位タイ以内の資格による出場に‟格上げ”。暫定リランキング5位に浮上した19歳は女子ゴルフ大国・熊本でも爪あとをしっかり残すつもりだ。「セカンド地点にバンカーや木があって、ピンポイントに狙っていかないといけない。グリーンも硬くて、速い。フェアウェイも硬いし、難しいコースだと思います」。初めて挑む熊本空港CCだが、正確なショットがルーキーの生命線。狙いを定めたピンポイントショットは望むところだ。
初めて体験したV争いでプロ意識も格段と高まった。「毎日アンダーで回って、上位争いでしか味わえない緊張感を今週も味わいたいです」。ヒリヒリするような位置で戦ってこそのプロ。「そういうの好きです」と笑った。
初日は昨年のプロテストに合格した同じ97期生の入谷響、吉田鈴との同期ラウンド。「やっぱり最初に勝ちたいです」。レギュラーツアー初V一番乗りを狙う注目ルーキーには格好の起爆剤となりそうだ。(文・臼杵孝志)
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