【ボートレースコラム】篠崎元志 執念感じさせた走りで盛り上げた福岡チャンピオンカップ
2025年4月25日(金)4時30分 スポーツニッポン
今月18日に閉幕したG1「福岡チャンピオンカップ」は石渡鉄兵の優勝で幕を閉じた。予選トップ通過からの王道V。「これだけ動くのだから、エース機と言ってもいいんじゃないかな」と語ったように、しばらくは63号機にトップクラスS評価を与えようと思う。
惜しかったのは篠崎元志(39=福岡)。優勝戦は2コースから好ハンドルで石渡の懐に舟をねじ込んだものの1周2マークの接触で転覆。それでも再三の本体整備で中堅機を立て直し、見せ場たっぷりのレースを繰り広げた篠崎元にヤジを飛ばすファンはいなかった。救助艇から深々と頭を下げる姿には胸が熱くなった。
そんな執念を思わせる篠崎の姿を見て、後輩が何かを感じてほしいなと思った。というのも他地区の記者から「福岡って若手が伸び悩んでいるよね」ということを言われたからだ。養成所で勝率を残して卒業してきても、ある程度賞金を稼ぐようになると、上の舞台を諦めてしまう選手が少なくない。
優勝戦の日は、ちょうど136期生の新人紹介が行われていた。ステージに上がった5人は“いつか自分も、この舞台に”という気概を持って、上を目指してほしい。(鳥飼 祥平)