15年ぶり箱根駅伝優勝狙う早大に強力ルーキー2人入学 鈴木琉胤「ワクワク」佐々木哲「一緒に成長したい」
2025年4月25日(金)6時0分 スポーツ報知
早大に入学した鈴木琉胤(左)と佐々木哲
今年の第101回箱根駅伝(1月2、3日)で往路3位、総合4位だった早大に新エース候補の強力なルーキー2人が加わった。昨年12月の全国高校駅伝で1区区間賞に輝き、5000メートル高校歴代2位の記録を持つ鈴木琉胤(るい)、同3区区間賞で3000メートル障害高校歴代2位の佐々木哲だ。実績&潜在能力抜群の頼もしい新戦力は大学駅伝への思いも強く、1年目からメンバー入りを見据えている。学生3大駅伝3冠を達成した、2011年以来15年ぶりの箱根路制覇に向けて、早大の起爆剤となる。
大きな期待を背負って入学した新入生2人には、自信と覚悟がにじんでいた。伝統のえんじ色のジャージーに袖を通し、鈴木は「ここから始まるんだなって、ワクワクした気持ち」と目を輝かせ、佐々木は「新たなステージで、心機一転」とさわやかに笑った。高校時代はライバルだったが、大学では同じ目標と志を持つ仲間となった。早大は歴代最多14度目の箱根駅伝制覇を目標に掲げており、佐々木は「切磋琢磨(せっさたくま)して、一緒に成長したい」と言葉に力を込めた。
昨年12月の全国高校駅伝は鈴木が1区で日本人最高タイムの区間賞で、佐々木が3区区間賞。トラックレースでも結果を残す2人だが、ロードでの適性も高い。今年の箱根で総合4位だった早大は出場メンバー6人が残り、強力なルーキー2人を加えた今季は早くも優勝候補に推されている。3月の入寮から間もないが「『箱根駅伝優勝』と主将、副主将が口にする場面を何度も見た」と先輩たちの思いを感じ取った鈴木。「自分が少しでも力になりたい」と使命感は日に日に増している。
あいさつ代わりの好記録が期待を増幅させた。鈴木は入学直前の3月にオーストラリアの競技会5000メートルで、U20日本歴代3位となる13分25秒59をマーク。「思った以上に余裕を持ってそのタイムが出せた」と充実の表情。佐々木も12日の金栗記念(熊本)で本職の3000メートル障害に挑み、U20日本歴代2位の8分29秒05で2位。日本トップの実業団選手より先着し、早くも存在感を放っている。
世界の舞台も目指す。4年時の28年はロサンゼルス五輪イヤー。鈴木は「大学4年間で5000メートルは12分台、1万メートルは26分台を出したい。ロス五輪には出るだけじゃなくて戦いたい」と日本記録を超える目標を設定。佐々木も「ロス五輪に出場したいですし、ロードでもチームにも貢献できる選手になりたい」とうなずいた。強力なルーキー2人が両輪となり、早大を新黄金期へと導く。(手島 莉子)
◆青学大は最多 5000メートル13分台5人入学
箱根駅伝王者の青学大には、最多5人の5000メートル13分台ルーキーが入学した。原晋監督(58)は、あえて過度な期待はしていない。「新しい生活環境と練習に慣れることが一番。その中で夏以降に順応し、駅伝メンバーに絡んでくる1年生が1人でもいれば十分です」と冷静に話す。直近4年の箱根に出場した1年生は3人だけ(22年の太田蒼生、若林宏樹、25年の小河原陽琉)だが、いずれも快走。今季も青学大から台頭した新人は期待大だ。
国学院大の高石樹(いつき)は昨年の全国高校駅伝で1区3位、野田顕臣は同4区区間賞。トラックの持ちタイム以上の強さがある。中大の浜口大和は5000メートルで日本高校歴代5位、全国都道府県対抗男子駅伝1区区間賞。即戦力ルーキーだ。駒大の落合晃(こう)は800メートルの日本記録保持者(1分44秒80)。トラックで世界を目指しながら、スピード駅伝の出雲などへの出陣も注目される。(竹内 達朗)
◆東海大復活のカギ握る双子 〇…高校駅伝王者、佐久長聖出身の松山優太、唯人の双子は東海大復活のカギを握る。兄の優太は昨年の全国高校駅伝2区5位で全国制覇に貢献。「1年目から箱根に出場してシード権(10位以内)獲得に貢献したい」と意気込む。同駅伝でメンバーから外れた弟の唯人は「高校では悔しい思いをしたので、その分も大学駅伝で活躍したい」と誓う。日本長距離界で活躍した双子は多い。「双子ランナーといえば松山兄弟と言われるように頑張ります」と、そっくりの笑顔で異口同音に目標を語った。