61周での赤旗提示でレース終了となったスーパーGT第1戦岡山のフルポイントの理由は

2023年4月18日(火)14時6分 AUTOSPORT web

 4月16日、岡山県の岡山国際サーキットで開催されたスーパーGT第1戦の決勝レース。スタート直後の強雨、さらに天候が回復してのドライアップ、さらにふたたびの強雨と大荒れのレースとなったが、最終的にGT500車両が61周を消化した16時24分に、赤旗提示をもってレース終了と判断された。この結果にともない、シリーズポイントはレース成立時のフルポイントが与えられているが、その理由を説明しておこう。


 スーパーGTでは、スポーティングレギュレーションの第7条『シリーズ得点』のなかに、下記の項目がある。


3)不可抗力によるレース中止、レース終了の取り扱い:
(1)先頭競技車両が2周回を完了する前にレースが中止された場合レースは成立せず、各決勝レースのシリーズ得点は与えられない。
(2)先頭競技車両が2周回を完了し、かつ走行距離が当初のレース距離、もしくは当初レース時間の75%未満でレースが中止・終了した場合、レースは成立し各決勝レースのシリーズ得点の半分が与えられる。
(3)先頭競技車両が当初のレース距離、もしくは当初のレース時間の75%以上を完了した後にレースが中止・終了した場合、レースは成立し各決勝レースのシリーズ得点はすべて与えられる。


 今回の第1戦岡山の決勝レースは82周が予定されており、最大延長時間は16時30分だった。途中赤旗中断等もあり、結果的に61周を消化した時点でレース終了となった。終了直後から、今回のレースは上記の(2)にあたるのか、(3)にあたるのかが注目を集めていたが、結果的には(3)となり、レースは75%以上で成立、シリーズ得点はフルで与えられている。


 ここで注目を集めたポイントは、82周の75%は61.5周であるということだ。では、62周を終えていないのではレースの75%はこなしていないのでは……? という疑問もあったかもしれないが、今回、61.5のうちの小数点以下は切り捨てとなっており、61周が75%となっている。


 そもそもこの61周という数字は、レース後にとってつけたものではなく、レースウイーク前の4月14日の時点で、事前に監督ミーティングの資料で大会審査委員会から公示されているものだ。この資料のなかには「スタートしてから先頭車両が82周完了した時点、または16時30分が経過した時点で先頭車両にチェッカーフラッグを振ります(75%の距離=61周。2/3の距離=54周)」と記載されている。


 なお今回のレースについては、近隣地域に落雷があったため15時15分に一時赤旗となったが、これらも他スポーツイベント等同様の安全のための対応が採られており、20分後の15時35に再開となったことも、他イベント同様の対応となった。観戦されたファンの皆さんにとっては、82周のレースが観られず不満もあったかもしれないが、近年なかなかないような変わりゆく荒天で、またアクシデントやペナルティも多発するなど、非常に難しいレース運営となった中で、レース成立の61周まで走行が実現したことは、サーキット、プロモーター等関係者の努力の賜物であったとお伝えしておきたい。

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