明大八王子・藤沢陸主将 新ポジションで誓った再起と譲れない思い

2024年4月18日(木)22時25分 スポーツニッポン

 明大八王子は、夏への試金石となる今春の東京都大会3回戦で東海大菅生に2—5で敗れた。昨夏は西東京大会4強に進出し、初の甲子園出場を視界に捉えていただけに今夏の戦いに注目が集まる。

 

 東京屈指の強豪として名高い東海大菅生との一戦では代打出場し、四球を選んだ主将の藤沢陸内野手(3年)は「2アウトからの甘さが失点に絡んだところが課題。それでもフィジカルが向上した分、(打撃陣は)打球の質が変わったと思う。チーム全員で体重増に取り組んできたので“打球が速くなった”と全員が感じることができたと思います」と振り返った。

 昨夏の快進撃に貢献した1人だった。強肩が武器の藤沢は主に「6番・遊撃」で出場し、救援投手としてマウンドに上がることも。投打に渡り躍動したが、聖パウロ学園との5回戦でアクシデントに見舞われた。一塁けん制で帰塁した際に「抜けた感じがあった」と右肩に違和感。試合中は痛みを感じずフル出場するも、試合後に病院に行くと「右肩陥没骨折」で復帰まで3カ月の診断を受けた。

 秋季大会の始まる9月から徐々に打撃練習を始動するも、右肩に直接負担のかかるキャッチボールでは2メートルの距離でも痛みが出た。チームメートがフィジカル的にも技術的にも大きく成長していく冬の期間の多くをリハビリに費やし「自分だけ成長していないと感じることはつらかった」と明かす。それでも新チームから就任した主将として下を向くわけにはいかない。「自分がクヨクヨしちゃいけない。プレーで説得力を出せなくても、言いづらくても、チームを支える声かけは嫌がらずやってきた」と責任を果たしてきた。

 秋季大会も春季大会もポジションは「代打」。椙原貴文監督と相談の上、この春から一塁手に転向。スローイングの機会が少ない新ポジションでスタメン出場することで、まずは試合勘を取り戻すことが狙い。それでも「やっぱりもう1回ショートを守りたい思いがある」と譲れない思いを秘める。そして「まだ先のことですけど、大学野球をやりたい気持ちがある。できるならば明治大学でやりたい」と夢もある。

 「甲子園出場という目標に向かって戦っていくことは変わらない。自分たちはタレントが少ない分、生活面から練習まで突き詰めてやっていきたい」と力強く語った藤沢主将。秋には2メートルだったキャッチボールの距離は塁間まで伸びた。夏に向け、一歩ずつ踏みしめる。(柳内 遼平)

 ◇藤沢 陸(ふじさわ・りく)2006年7月18日生まれ、東京都杉並区出身の17歳。浜田山小4年から杉並イーグルスで野球を始める。高井戸中では東京和泉シニアに所属。憧れの選手はドジャース・大谷。50メートル走6秒6。遠投98メートル。1メートル78、76キロ。右投げ右打ち。

スポーツニッポン

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