オリックス ドラ4・山中 歴史的1号の原点は...89年選抜で優勝した父・竜美さんとのキャッチボール
2025年4月18日(金)5時1分 スポーツニッポン
◇パ・リーグ オリックス2−3西武(2025年4月17日 京セラD)
球団史に残る一発の喜びよりも、負けた悔しさがにじみ出た。オリックスのドラフト4位・山中が、プロ5度目のスタメンで初めて1番に名を連ね、初回に西武・上田から右越え本塁打。新人でプロ1号が初回先頭弾となるのはプロ野球史上12人目で、球団では阪急時代を含めても初の快挙だった。
「それよりも、きょう試合に負けた悔しさでいっぱいです」
89年の選抜大会で優勝した東邦高(愛知)の主将を務めた父・竜美さん(53)との幼少期の日課だったキャッチボールが、野球を始めた原点。少年時代は小笠原道大やイチローの打撃フォームをまね、「今度は自分が憧れられる選手になりたい」とプロの世界の門を叩いた。小学校時代は横浜市の大会へ出場が検討されるほど水泳にも力を入れていたが、「野球を取りたい」と決断。記念球は手元に戻り「両親にひとまず渡そうと思います」とうなずいた。
1点劣勢の8回2死一、二塁で左邪飛に倒れるなど、第2打席以降は無安打。「1本で満足は当然できない。勝ちパターンの投手に対して代打を出されないで打席に立たせてもらえている以上、打たないといけない中での凡打だった」。こみ上げる悔しさをかみしめ、ルーキーは勝利への貢献を渇望した。(阪井 日向)
◇山中 稜真(やまなか・りょうま)2000年(平12)12月14日生まれ、神奈川県出身の24歳。倉田小2年から野球を始め、木更津総合(千葉)では2年夏、3年夏に甲子園出場して大会通算打率.467。青学大では1年春からリーグ戦に出場し、三菱重工Eastでは昨年に一塁手で社会人ベストナイン。昨秋のドラフトでは捕手としてオリックスの4位指名を受けた。1メートル78、83キロ。右投げ左打ち。