【虎番リポート】阪神・デュプランティエは超ナイスガイ 自身初黒星につながる3失策の木浪に励ましの言葉
2025年4月22日(火)5時15分 スポーツニッポン
0—3で敗れた19日広島戦の試合終了後のことだった。整列しスタンドに一礼したナインがベンチへ引き揚げていく際、デュプランティエが木浪に話しかける場面があった。
その試合で背番号0は自己ワーストタイとなる3失策。来日初勝利を狙った背番号20の足を引っ張る形となってしまった。5回4安打3失点も自責点はなく、来日初黒星。助っ人右腕にとっては“無念の敗戦”となったが降板後、自身のことよりも気にかけていたのが同い年でもある木浪のことだった。
「誰にでも、物事がうまくいかない日はある。自分にもそういう日はあるしね。その中で何とかやっていかなくてはいけないし、この世界、このスポーツは本当にタフで難しい。必要か必要じゃないかで言うと必要ないかもしれないけど、自分がその立場だったら誰か励ましてくれる人がいたら大きいと思うので、木浪さんにも声をかけさせてもらった」
デュプランティエは元メジャーリーガーではあるが、マイナーで過ごした時間も長い。壁にぶち当たり、悩み苦しんだ経験も少なくない。試合直後に声をかけることが果たして木浪にプラスになるのか…考えを巡らせた上で歩み寄っていた。
「しんどい時、きつい時は自分のことを信じられなくなったり、自信を失うこともあった。自分の中で何かできないかと考えて、このタイミングで声をかけないといけないなと思った」
伝えたいことはたくさんあった。
「昨日、あそこで失点を防ぐのが自分の仕事。自分にも責任はあったので、それも伝えた。責任を感じるかもしれないけど、木浪さんが素晴らしいショートストップだと信じているし僕は全く疑っていない。次、投 げる時も木浪さんのところにボールを打たせると考えて信じているから絶対大丈夫だよ、とね」
これだけの言葉数を見ても、一言励ましたようなやり取りでなかったことが想像できる。そして、デュプランティエは「野球は誰か1人ではなく、みんなでやるスポーツ。僕はチームのケミストリー(化学反応)が好きで、大事だと思うんだ」と何度もうなずいた。
「木浪さんが自分のピンチを救ってくれることを信じてます。この先、そういう日が昨日という日より多い気がしますから」
2人が勝利のハイタッチをした瞬間、チームの結束はさらに強くなりそうだ。
≪19日の阪神—広島戦VTR≫2回先頭、ファビアンの遊ゴロを木浪がファンブル。2死一、三塁から矢野の遊ゴロを木浪が今度は一塁へ悪送球し、先制点を献上した。木浪は9回にもゴロをトンネルし1試合3失策に「自分のせいなので。頑張るだけなので。それだけです。すみません」と語った。