素直に喜べない3位 目立つバントミス...辻発彦氏が語る西武浮上の鍵は「隙のない攻撃」
2025年4月22日(火)5時25分 スポーツニッポン
旬な話題に斬り込む企画「マイ・オピニオン」。今回のテーマは「西口西武は変わったのか」だ。昨年球団ワーストの91敗を喫しての最下位から、今季は2年ぶりの4連勝を飾るなど18試合を終えて9勝9敗の勝率5割で3位と健闘中。西口文也新監督(52)の下での戦いぶりを、スポニチ本紙評論家で元監督の辻発彦氏(66)が分析した。
「ライオンズ75周年シリーズ」だった18日のソフトバンク戦で、ベルーナドームを訪問した。チームの雰囲気が悪いはずがない。日本ハム、オリックス、ソフトバンクに3カード連続勝ち越し。やっぱり先発投手はいいし、うまくいっている。ただ、攻撃の課題は残っている。
昨年よりもバントも使い、スチール(盗塁)も使って得点を目指している。開幕から1、2番を組んだ長谷川、西川は足を使い、途中から1番に入った西川は、昨年くらいから変わってきて、いい仕事をしている。新外国人のネビンもそこそこ。ただ、昨年低調だった打線は、リーグ最少タイの47得点。バント失敗などミスが多く、点を取れる時に取れていない。このへんを解消していかないと、今後は苦しくなる。3位とはいえそのあたりが素直に喜べない状況。源田が離脱して、滝沢が遊撃に回ったことで、また固定できない二塁も心配材料だ。
もちろん、上がり目もある。打率.429をマークし、リーグトップにも立っていたドラフト2位の渡部聖が離脱中。バットを何本も折りながらヒットを打つなど、捉えどころのない不思議な選手で、大きなケガではなくて良かった。彼が戻り、セデーニョがもう少し打ってくれれば、打線は今よりも点が取れるようになるはずだ。
昨年5位のオリックスが首位など、パ・リーグは昨年の下位が上位に。打って勝ってきたオリックスは太田、頓宮、杉本、西川が好調で、中川もいい。ただ監督の立場からすると、一気に全員の調子が落ちるのではと、不安でしょうがない面もある。ソフトバンクもこのままでは終わらないだろう。その中で今井、隅田ら先発陣が安定している西武は、そうは連敗することもない。大事なところで点を取る「隙のない攻撃」をできるかどうかが、今後の鍵になってくる。