2021年BTCC参戦全29台集結。公式テスト“メディアデイ”は復帰を祝うシェドンが最速

2021年4月27日(火)7時0分 AUTOSPORT web

 4月22日に恒例の公式テスト“メディアデイ”を開催したBTCCイギリス・ツーリングカー選手権は、快晴のシルバーストンに全29台の2021年レギュラー参戦組が集結。約6時間に及んだセッションを経て、Team Dynamics(チーム・ダイナミクス)のFK8型ホンダ・シビック・タイプRがトップタイムを記録し、今季からBTCC復帰のゴードン・シェドンが好調な再出発を切った。


 このオフに新造された11台のNGTC規定ツーリングカーを含め、新型コロナウイルス感染症(COVID-19)に翻弄されたイギリスの厳しい状況下にありながらも、2021年のBTCCグリッド上は“満員御礼”という活況を維持した。


 ただし、長年ファクトリー支援を続けてきたホンダUKが去り、袂を分かつ形でプライベート・エントリーとなったHalfords Racing with Cataclean(ハルフォズ・レーシング・ウィズ・カタクリーン)が抜けたことで、コンストラクターエントリーは名門West Surrey Racing(ウエスト・サリー・レーシング/WSR)のBMW、Motorbase Performance(モーターベース・パフォーマンス)のフォード、そしてSpeedworks Motorsport(スピードワークス・モータースポーツ/SWM)のトヨタ(TOYOTA GAZOO Racing UK)3社のみという寂しい状況となった。


 そんな環境ながら、ドライバー陣では久々にシリーズ復帰を決めた3冠王者シェドンと、2020年の参戦休止からカムバックを果たす“悪童”ジェイソン・プラトを含め、コリン・ターキントンに現王者アシュリー・サットンと、4名の元チャンピオンがフィーチャーされるシーズンとなる。


 全車集結のフィルミングを含めた恒例のテストを前に、各陣営が2021年仕様のカラーリングを披露するなか、バッテリー関連企業のYUASAも失ったチーム・ダイナミクスは、心機一転“Best of British”をテーマにユニオンジャックをあしらった新リバリーを公開。

BTCC復帰のゴードン・シェドン(左)とダニエル・ロウボトムのフレッシュなペアで挑むTeam Dynamics(チーム・ダイナミクス)
Motorbase Performance(モーターベース・パフォーマンス)のフォード・フォーカスSTはブラック&グリーンに
都合4台体制を敷く新生Ginsters EXCELR8 with TradePriceCars.com(ギンスターズ・エクセラー8・ウィズ・トレードプライズカーズ・ドットコム)のヒュンダイi30 Nファストバック


■午前セッションはクプラを駆るゴフが最速


 すでに新カラースキームを発表済みのMB Motorsport(MBモータースポーツ)に続き、ブラック&グリーンとなったモーターベース・パフォーマンスのフォード・フォーカスSTや、新生Ginsters EXCELR8 with TradePriceCars.com(ギンスターズ・エクセラー8・ウィズ・トレードプライズカーズ・ドットコム)のうち、トム・イングラムを除く残り3台のヒュンダイi30 Nファストバックなどがパドックでお披露目された。


 その流れで始まった午前3時間のセッションでは、序盤から1時間以上もターキントンのBMW330i M-Sportがタイムボード最上位に居座り、2番手にLaser Tools Racing(レーザー・ツールズ・レーシング)のディフェンディングチャンピオン、サットンのインフィニティQ50BTCCが続きFR勢が上位を占拠したものの、正午を前に3回のショートランに臨んだTeam HARD(チーム・ハード)のジャック・ゴフがタイムを更新。新車のクプラ・レオンBTCCで57秒412を叩き出し、最速ドライバーとなりランチタイムを迎えた。


「ここまでシルバーストンを走行したなかで最速の手応えだった。昨季までのフォルクスワーゲン(CC)と比較して新車のもっとも良い点は、ほんの些細な調整でも確実に“変化した”ことが感じ取れることだ。ほかのチームもさらにタイムを伸ばすだろうし、開幕のスラクストンまでつねにトップ10に絡むのが現実的な目標だ」と語った午前首位のゴフ。

「タイトルを勝ち獲ったクルマだけに、なんの不安要素もない」と自信を得たアシュリー・サットン
午前のセッションで最速タイムを記録したTeam HARD(チーム・ハード)のジャック・ゴフ
2020年はチームの活動休止で1年お休みとなっていたジェイソン・プラトも「戦えるシーズンになりそう」と不敵な笑み


■総合トップはホンダ・シビック・タイプRを駆るシェドン


 4番手にBTC Racing(BTCレーシング)のマイケル・クリース(FK8型ホンダ・シビック・タイプR)、5番手にPower Maxed Car Care Racing(パワー・マックス・カーケア・レーシング)で復帰のプラト(ヴォクスホール・アストラBTCC)、そしてエクセラー8のイングラム(ヒュンダイi30 Nファストバック)が続いたトップ6で折り返した午後のセッションは、最初の30分でクリースが首位に座るも、同じFK8を操るチーム・ダイナミクスのエースが意地を見せ、すぐに最速タイムを更新する。


 シェドンは最終的に57秒108までタイムを詰め、総合でのトップタイムを確実なものとし、コンマ約2秒差の2番手にゴフ、3番手クリース以下、イングラム、プラト、サットンの実力者たちを従えて、BTCC復帰後初の公式セッションをトップで終えることとなった。


「素晴らしい1日だったね。僕らはプログラムに熱心に取り組み、時間が進むごとに自信を深めていけた。初回テストで他陣営が何をしているかは窺い知る余地もないが、長いブランクを経て最速でセッションを終えるのは最高に幸せなことだ」と、手応えと喜びを口にしたシェドン。


 また、今季からPHSC with BTC Racing(PHSCウィズBTCレーシング)として初のレギュラー参戦を果たす女性ドライバー、ジェイド・エドワーズ(FK8型ホンダ・シビック・タイプR)も、午後に75周を走破して19番手タイムを刻む好走を披露。首位から26番手までが秒差圏内という熾烈なタイム差で、各陣営が5月8〜9日のスラクストンに向けた新シーズンへの準備を終えている。

BTC Racing(BTCレーシング)のマイケル・クリース(FK8型ホンダ・シビック・タイプR)も午前、午後ともトップ5に絡む速さを見せた
昨季PMRからのスポット参戦を経て、2021年はFK8型ホンダ・シビック・タイプRを操ることになったジェイド・エドワーズ
トヨタ・カローラBTCCのTGR勢は、ロリー・ブッチャーが17番手、サム・スメルトが23番手に終わっている

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