羽根田卓也、37歳の挑戦 地元開催の26年アジア大会目指す「一緒に熱狂できる場を作れたら」
2025年4月27日(日)18時16分 スポーツ報知
カヌ-・スラロームの日本代表選考大会に出場した羽根田卓也(カメラ・大谷翔太)
◆カヌー・スラローム 日本代表選手選考大会(27日、東京・カヌースラロームセンター)
男子カナディアンシングルで、五輪5大会連続出場の羽根田卓也(ミキハウス)が、この日行われた2レースでいずれも1位を獲得。26日の3レースの成績と合わせ、今夏の代表入りに大きく前進した。レース後は「昨日の疲れが出て不安な部分はあったけど、1本目からいい滑り出しができた。そこから2本目につなげて、いい結果を出せた」と納得の表情を浮かべた。
昨夏のパリ五輪では、準決勝13位。決勝進出を逃し、シーズン後の活動については熟考の姿勢を示していた。新たなシーズンに臨んだ今大会、羽根田は「現時点では、1年1年という気持ちで」と心境を説明。「自分の中で大きいのは、やはり来年の愛知・名古屋アジア大会。地元ということもあるし、そこで地元のみなさんに恩返しをしたい。現時点では来年のアジア大会に向けて照準を合わせていって、もしかしたらその先にもっと大きなゴールがあるかもしれない」と、競技と向き合うモチベーションを明かした。
2016年のリオ五輪で、日本初の銅メダルを獲得。21年東京五輪はコロナ禍で無観客開催となり、パリ五輪では観衆の中で漕ぐ喜びを改めて知った。「自分が今まで出場してきた五輪の中で、一番の観客数で。熱狂の渦の真ん中にいられることの素晴らしさ、価値を再認識した。それ(有観客の国際大会)がまた愛知で行われるということは、自分の中でも大きい」。会場は、幼少から親しんだ矢作川。「自分が出場を決めて、一緒に熱狂できる場を作れたらこんなに素晴らしいことはない」と、言葉に熱を込める。
今年の7月で38歳。羽根田は「衰えだったり、疲れが抜けにくいなどの感覚はない」と頼もしい。W杯ではポイント獲得がかかり、9月の世界選手権(オーストラリア)出場にもつながっていく。「あとは気持ちで、どれだけのトレーニングを今までと同じように重ねることができるか。それを、どうパフォーマンスに反映させることができるか」。カヌー界の第一人者の新たな挑戦がはじまった。