【香港・クイーンエリザベス2世C】5歳世代のエースが海外G1初制覇 日本ダービー馬が完全復活劇
2025年4月28日(月)6時10分 スポーツ報知
タスティエーラ(左)が直線抜け出して復活のG1制覇(カメラ・高橋 由二)
◆第51回クイーンエリザベス2世C(4月27日、香港・シャティン競馬場・芝2000メートル)
【香港27日=ペン・角田晨、カメラ・高橋由二】香港チャンピオンズデーのJRA海外馬券発売対象G13レースがシャティン競馬場で行われ、クイーンエリザベス2世Cでタスティエーラ(レーン)が海外G1初制覇。23年日本ダービー以来の復活Vで、日本調教馬6頭目の快挙となった。2着はプログノーシスで日本馬がワンツー。
ダービー馬が完全復活だ! タスティエーラは外めの10番枠から五分のスタートを決めると、グイグイとハミを取り4番手を確保。リズム良く脚をためると3コーナー過ぎから抜群の手応えを見せ、直線で前に並びかける。レーンが「この馬の特徴である長くいい脚を使えた」と振り返ったように、そこからは全くスピードが落ちることなく迫るプログノーシスを1馬身3/4差で振り払った。
名門の狙い澄ましたローテーションがハマった。昨年の香港カップで3着に入り、その後はここを目標に調整。堀調教師は「私の厩舎で香港に遠征して1回目で勝ったのはモーリス(15年・香港マイル)だけです。他の馬(サトノクラウン、ネオリアリズム)は2回目以降で勝ちました。去年で香港への適性を感じたので、ここを目標にやってきました」と馬場適性を見事に見極め、2つ目のG1タイトルを勝ち取った。
鞍上とのコンビネーションも抜群だ。レーンとはこれで3戦2勝。トレーナーは「ダミアン(レーン)は、ライアン(ムーア)、モレイラ、(レイチェル)キングと並ぶ厩舎のキーマンです。コミュニケーションを取って、チームとしてフィードバックをもらっています。特にダミアンとこの馬には縁があります。彼からも『乗りたい』と話がありました」とニッコリ。5月3日から2か月間の短期免許を獲得予定となっている名手も、能力にほれ込んでいる。
父サトノクラウンが16年に香港ヴァーズを制したシャティンで、強さを改めて証明した5歳世代のエース。今後は未定だが、地元メディアの「12月の香港カップに戻ってきてくれますか?」との問いかけに、トレーナーは「そうですね」と笑みを浮かべた。その走りには海の向こうのファンもとりこになっているようだ。(角田 晨)