ソフトバンク サヨナラ連敗で3、4月度は負け越し決定 一時同点弾の柳町が救い
2025年4月28日(月)6時0分 スポーツニッポン
◇パ・リーグ ソフトバンク2—3楽天(2025年4月27日 楽天モバイル)
苦しいチーム状況の中で存在感を示している。ソフトバンクの柳町達外野手(28)が27日、一時は起死回生となる土壇場9回の同点アーチを含む3安打2打点で気を吐いた。スタメン起用されている直近4試合は打率・643(14打数9安打)と打撃好調だ。チームは楽天に延長11回サヨナラ負けし3、4月度は9勝13敗2分けで月間負け越しが決まったが、首位との差はまだ、3・5ゲーム。あす29日からの9連戦で巻き返していく。
左中間への打球がぐんぐんと伸びていく。1—2の9回に柳町が試合を振り出しに戻す一発を放った。
「とにかく塁に出なければ始まらないと思っていました。いい形でボールも見えてますし打席に入れていると思います」。先頭打者として藤平が2球に投じた152キロ直球を捉える。持ち前のバットコントロールに加え、長打力アップに取り組む背番号32が出場14試合で2本目となるアーチを描いた。
0—2の6回2死一、三塁の場面でも「チャンスを絶対に生かそうと集中しました」と左翼線に適時二塁打を放った。チームは延長戦の末に11回に無念のサヨナラ負けを喫したが、その中で「6番・右翼」で先発出場して3安打1本塁打2打点と奮闘した。
近藤、柳田、正木と主軸を打っていた外野陣が次々に離脱している異常事態に陥っている。「チーム状況は苦しいですけど。代わりじゃないですが、それくらいの活躍をして、何とか勝ち取っていければ」。4月23日のオリックス戦で9試合ぶりのスタメン起用されてからは、4試合で打率・643(14打数9安打)、2本塁打、4打点。この間の出塁率・706と低調な打線の中で光っている。
チームは3、4月度9勝13敗2分けとなり、2試合を残して月間負け越しが決まった。3、4月度負け越しは2013年以来12年ぶり。それでも借金は4。最下位に沈むが、首位のオリックスとは3・5ゲーム差と射程圏内にはつけている。
あす29日の日本ハム戦からは9連戦が始まる。最初の2カードは本拠地が舞台だ。1勝2敗で負け越した楽天戦は周東が右膝に死球を受けた影響で3連戦を欠場。今宮もコンディション不良で2試合連続で出場を控えた。小久保監督も「ホームで6試合。佑京(周東)も健太(今宮)もひょっとしたら戻れるかもしれない。仕切り直しましょう」と願望を交え、前を向いた。
主力を欠く打線は若手の割合も多くなっている。その中で柳町は22、23年に100試合以上出場した経験を持つ。「ここぞの場面でのプレーで引っ張っていければ」。この男はチームのピンチをチャンスにしつつある。 (木下 大一)