【F1技術企画】2021年マシンのカウルの中を覗く(2):フェラーリとマクラーレン

2021年4月30日(金)11時51分 AUTOSPORT web

 毎戦F1マシンを詳細に観察するF1i.comの技術担当ニコラス・カルペンティエルが、2021年F1第2戦エミリア・ロマーニャGPに各チームが持ち込んできたマシンを接写、画像を使って普段はカウルに隠されたマシン内部の解説を行った(全2回)。第2回はフェラーリとマクラーレンだ。


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 下の1枚目の写真を見てもらうと、今のF1マシンのサイドポンツーンには、いかにぎっしりパーツが詰まっているかよくわかると思う。


 上下に見える2本の黒い棒が、カーボン製の衝撃吸収構造である。下の棒はフロアぎりぎりに置かれ、上の棒はコクピットの高さに設置されるのが普通だ。しかしフェラーリは2017年のSF70Hから、インレットの位置まで下げている。


 ラジエターの下方には、各種の電子機器と油圧ポンプが詰め込まれ、ほとんど隙間がない(金色のパーツは、FIAのトランスポンダーと思われる)。

フェラーリSF21(2021年F1第2戦エミリア・ロマーニャGP)


 上の写真は、より希少なものをとらえている。マシンから外された状態のフロアが、無防備の状態で晒されているところだ。多くの白い数字が見えるが、これはフロアに設置された気圧センサーのナンバーを示す。これらのセンサーで測定されたデータは、リアルタイムでガレージへと転送される。


マクラーレンMCL35M(2021年F1第2戦エミリア・ロマーニャGP)

 マクラーレンのガレージでも、外された状態のフロアの撮影に成功した。MCL35Mでは、バージボードがフロアに固定されているのがわかる。メルセデスも同じ手法を取っているが、たとえばフェラーリやレッドブルは切り離している。技術レギュレーションでがんじがらめに縛られた今のF1では、すべてのマシンが瓜二つになってしまいがちだが、こういう例も存在する。どちらが優れているかという問題ではない。


 メルセデスやアストンマーティンと同じパワーユニットを搭載するマクラーレンだが、これら2チームのような巨大な隆起はカウル上に見られない。エンジン上部に幅広のラジエターを置いたために、円筒形のインテークマニホールドによる隆起がほとんどなくなっているのだ。ちなみに3分割されたエアインテークは、中央部がエンジン、左右がラジエターへ繋がっている。

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