市立船橋FW佐々木瑛汰がプレミアEASTで覚醒!狙うは「得点王」
2025年5月4日(日)12時0分 FOOTBALL TRIBE

4月27日に船橋市法典公園(グラスポ) 球技場で行われた高円宮杯 JFA U-18サッカープレミアリーグ2025のEAST第4節で、市立船橋高校(千葉県)と横浜FCユース(神奈川県)が対戦した。計6ゴールと壮絶な撃ち合いの末同点(3-3)で終了したこの一戦。両チームの選手たちは、試合終了のホイッスルと同時に悔しさをあらわにした。
この試合でひと際存在感を放っていたのが市立船橋の新エース、2年生のFW佐々木瑛汰(前所属は北海道コンサドーレ札幌U-15)だ。ここでは、勝ち点1を分け合った試合を振り返り、試合後の佐々木が語った今シーズンのパフォーマンスや意気込みについて紹介する。

激闘の末のドロー
攻守の切り替えが目まぐるしく、立ち上がりは一進一退の展開。試合が動いたのは16分だった。横浜FCユース(以下横浜FC)のMF津崎蒔愛(3年)がペナルティエリア内から左足で放ったシュートは相手GKの手をかすめながらゴールネットに吸い込まれ先制に成功。1点ビハインドとなった市立船橋もすぐさま反撃を開始する。25分には3本目のコーナーキックで、キッカーのDF野地透生(3年)がインスイングで蹴ったボールをファーサイドで待ち構えた佐々木がヘディングシュート。市立船橋が同点に追いついた。
その後は再び横浜FCペース。38分に横浜FC津崎のゴールが決まり1-2で前半を折り返す。ハーフタイムで市立船橋の波多秀吾監督は「まだ全然大丈夫だから、しっかり気持ちを切り替えて。相手のライン間はスペースが空くから背後を取る人とライン間で(ボールを)取る人で分けよう。ライン間を狙ってサイドに散らしていこう」と指示したという。
後半序盤も押し込まれる市立船橋は、47分に不運な形でオウンゴールを献上し1-3と2点ビハインドとなるが、選手たちは波多監督の指示通り終始落ち着いていた。55分、FW山本一誓(3年)からFW小川夢成(3年)へとパスをつなぐと、FW仲野真翔(3年)が中央に運び、右サイドのワイドにオーバーラップしてきたDF左近作怜(3年)が相手GKとの1対1を冷静に流し込んで1点差。61分にMF高山大世(2年)とFW勝又悠月(2年)が投入されると試合の流れが傾き、横浜FCの激しいプレッシングを交わしながら市立船橋が攻撃に転じる展開が目立ってきた。
すると77分、コーナーキックからDF森本陽太(3年)のヘディングがゴールネットに吸い込まれ市立船橋が再び同点に追いついた。なおも前線にボールを集めチャンスをクリエイトするが、試合はこのまま3-3で終了し、勝ち点1を分け合う形となった。

躍動する2年生ストライカー
この試合で市立船橋は4-4-2を採用。2トップの一角でスタメン出場を果たした佐々木は、ボールを収めサイドへ展開。相手DFラインの裏を狙う動きや空中戦の強さを発揮し1ゴールを挙げるなど攻撃のキーマンとして躍動した。前節のFC東京U-18戦でも1ゴールを挙げており、5月2日時点の得点ランキングではプレミアリーグEASTの4位タイに位置している。
この状況について「2戦連続、早い時間帯で得点を決められたことは良かったんですが、時間がたっぷり残っている中で2点目3点目を取っていけるような選手にならないと上には行けないと思っています。1試合1点ではなく複数得点を取っていけるようにしたいです」と語った佐々木。2年生ながらチームを牽引するストライカーとしての自覚が窺えた。また、今シーズンの目標について問われると「まずはプレミアリーグで得点王を獲りたいです」と宣言。得点に飢えたストライカーが、プレミアEASTの主役に名乗りを上げた。

市立船橋へ進学した理由とは
中学生まで北海道コンサドーレ札幌U-15でプレーしていた佐々木には、同U-18への昇格の話があったという。しかし、その時すでに父親の転勤で北海道を離れることが決まっていたのだとか。そんな中、市立船橋へ進学した理由について「コンサドーレのサッカーはパスを回すサッカーだったので、FWにそこまでボールが来なかったりドリブルが出来ない環境でした。Jユース(札幌U-15)を味わったので、(高校では)全く違う環境でやってみたいという気持ちがありました。色々調べている中で、市立船橋のFWの選手が結構パスを貰っていたシーンが印象的で。コンサドーレはサイドから崩したりするんですが、市立船橋は真ん中から起点を作るので、(自分のプレーが)ゴールに直結できるのかなと思いました。(船橋の)動画を見たときに市船に行きたいと思いました」と明かした。
札幌U-15時代では「雪が積もったグラウンドで練習するんですけど、足がきつくなったりスリッピーであったり、そういう環境でサッカーをやるのが楽しかったという思い出があります」と雪国ならではのエピソードも飛び出した。「コンサドーレはパスサッカーをしていたので、足元の技術が鍛えられたのかなと思います。市立船橋は技術系のチームではないですが、コンサドーレでの経験が今に活かされていると感じます」とこれまで培った技術が今も活きていると話した。プレミア得点王を掲げる2年生ストライカーの今後に注目したい。