WEC:赤旗続出、波乱の予選をトヨタが制圧。2017年ル・マン以来のフロントロウ独占

2018年5月5日(土)0時37分 AUTOSPORT web

 2018/19年WEC世界耐久選手権は5月4日、2名のドライバーのアタックラップタイムのアベレージでグリッド順位を決定する公式予選が行われ、マイク・コンウェイと小林可夢偉がドライブしたTOYOTA GAZOO Racingの7号車(コンウェイ/可夢偉/ホセ-マリア・ロペス組)がポールポジションを獲得した。総合2番手は8号車トヨタTS050ハイブリッドがつけ、レベリオン・レーシングの1号車レベリオンR13・ギブソンが総合3番手、プライベーター勢最上位となっている。
 
 前日の練習走行日から続く晴天の下、気温19.4度、路面温度24.4度というコンディションで開始された開幕戦の公式予選は、スパ名物のオー・ルージュで発生したクラッシュなどにより、2度に渡ってセッションが中断する波乱の展開となった。
 
 オンタイムで開始されたLMP1とLMP2クラスの予選だったが、開始直後にSMPレーシングの17号車BRエンジニアリングBR1・AERがケメル・ストレート上でストップ。これを回収するため1回目のレッドフラッグが提示される。
 
 セッション再開後、各車がアタックに向かうなかで8号車トヨタを駆るフェルナンド・アロンソが1分55秒134というベストタイムをマークすると、直後を走る7号車トヨタのコンウェイが1分54秒679を出してこれを上回る。
 
 この直後、コース上ではドラゴンスピードの10号車BRエンジニアリングBR1・ギブソンを駆るピエトロ・フィッティパルディがオー・ルージュで姿勢を崩し、正面からタイヤバリアに激突するクラッシュが発生。セッションはふたたび赤旗中断となった。


 ドライバーの救出ならびにマシンの回収、さらに崩れたタイヤバリアの補修を行う関係で20分以上の中断期間を経て、セッションは現地時間16時28分に再開される。
 
 すでにひとり目のアタックを終えていたトヨタは、可夢偉と中嶋一貴をそれぞれコースに送り出し、暫定3番手につける1号車レベリオンはニール・ジャニから代わったブルーノ・セナがコースインしていった。
 
 1周のウォームアップの後、上位3台は連なる形でアタックラップへ。ここでトップタイムをマークしたのは7号車トヨタを駆る可夢偉。全体ベストとなる1分54秒488は8号車トヨタを駆る一貴のタイムを約コンマ3秒上回るもので、ドライバー2名のアベレージタイムで決まる予選ポールポジションを確実なものとした。


 トヨタ勢に次ぐ総合3番手に入った1号車レベリオンは、セナがチームのベストタイムを更新する1分56秒264を記録するも、上位には遠く及ばず。また、総合4番手につけた3号車レベリオンもベストタイムは1分56秒台に留まり、予選一発の速さではトヨタ勢に分があることは明らかな様子だ。なお、総合5番手以下のSMPレーシング、バイコレス・レーシング・チームは1分58〜59台のタイムとなっている。


 LMP2クラスはシグナテック・アルピーヌ・マットムートの36号車アルピーヌA470・ギブソン(ニコラス・ラピエール/アンドレ・ネグラオ/ピエール・ティリエ組)がポールポジションを獲得。タイムは2分02秒405だった。
 
 スポット参戦のGドライブ・レーシング、26号車オレカ07・ギブソンがトップから0.024秒という僅差でクラス2番手に。同3番手となったジャッキー・チェン・DCレーシングの38号車オレカまでが2分02秒台に入っている。


 LM-GTEプロクラスは事前のプロローグ・テスト、今戦のプラクティスと好調を維持するフォードとポルシェ勢がここでも速さをみせ、フォード・チップ・ガナッシ・チームUKの67号車フォードGTが2分12秒947というタイムでポールポジションを獲得。僚友66号車フォードGTが2番手に入りフロントロウを独占した。
 
 一時はフォード勢の間に食い込んだポルシェだったが、91号車と92号車ポルシェ911 RSRは2分13秒台のアベレージタイムでクラス3、4番手に。5番手には今ラウンドがWECデビュー戦となるBMWチームMTEKの82号車BMW M8 GTEが入ったが、92号車ポルシェから約1秒遅れる結果となっている。
 
 計9台で争われるLM-GTEアマクラスではトップ5がコンマ5秒以内に入る接戦となり、2分16秒357をマークしたデンプシー-プロトン・レーシングの77号車ポルシェ911 RSRが、前年王者のアストンマーチン・レーシング、98号車アストンマーチン・ヴァンテージを0.002秒差で抑えてクラスポールを奪取。3番手は新規参戦チームであるチーム・プロジェクト1の56号車ポルシェ911 RSRが入った。
 
 石川資章を擁するMRレーシング、70号車フェラーリ488 GTEは2分18秒512というタイムでクラス7番手、澤圭太が所属するクリアウォーター・レーシングの61号車フェラーリ488 GTEはクラス9番手から追い上げを図る。


 WEC“スーパーシーズン”の開幕戦、スパ6時間レースの決勝は5月5日(金)13時30分(日本時間20時30分)にスタートが切られる予定だ。


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