【NHKマイルC】武豊超えG1最年少19歳4か月8日制覇へ 2年目の若武者がランスオブカオスと挑む
2025年5月7日(水)6時0分 スポーツ報知
史上最年少G1制覇がかかる吉村
◆第30回NHKマイルC・G1(5月11日、東京競馬場・芝1600メートル)
新進気鋭の若手ジョッキーに注目だ。第30回NHKマイルC・G1は11日、東京競馬場で行われる。ランスオブカオスとコンビを組む2年目の吉村誠之助騎手=栗東・清水久厩舎=はレース当日が19歳4か月8日で、勝てば武豊騎手を超えて史上最年少のJRA・G1制覇となる。
デビューから手綱を執ってきたランスオブカオスで挑む2年目の若武者・吉村に、武豊超えの大記録がかかる。レース当日の年齢は19歳4か月8日。勝てば武豊が持つ19歳7か月23日(88年・菊花賞のスーパークリーク)を更新し、84年のグレード制導入以降では最年少JRA・G1勝利となる。それでも吉村は「特に気にしていないです。G1に関しても、僕もこの馬自身も一度経験している舞台なので。特に意識している部分というのはないですね」と自然体を強調する。
前走のチャーチルダウンズCで人馬ともに重賞初制覇。直線で進路が塞がったが、「新馬から、ひるむところを見せたことがない」という勝負根性を信じ、わずかに空いた狭いスペースをこじ開けた。「空いたスペースに行けるというところは、すごく大きな武器。経験が多い馬ではないですが、一戦ごとに内容が良くなり、競馬が上手になってくれています」と着実な成長を感じ取っている。
今回が2度目のG1騎乗。初挑戦だった昨年の朝日杯FSで9番人気の同馬を3着に導いた後、「緊張感がありながらも楽しめた」と振り返った吉村。プレッシャーを苦にせず冷静な騎乗ができる鋼の心臓で、勝利を積み重ねてきた。先週のユニコーンS(カナルビーグル)で重賞2勝目。今年は22勝でリーディング18位につけるなど、存在感は日に日に強くなっている。
2馬身半差をつけて圧勝した昨年12月の新馬戦から、全4戦に騎乗してきた。鞍上は「これだけ多く乗っていますし、僕が誰よりもこの馬のことを理解できていると思っているので」と絆を深めてきた。主戦としての責任感を胸に秘め、一番の相棒と大仕事をやってのける。(山本 理貴)
◆吉村 誠之助(よしむら・せいのすけ)2006年1月4日、兵庫県生まれ。19歳。昨年、栗東・清水久厩舎からデビューし、1年目はJRA33勝。新人騎手特別賞、中央競馬関西放送記者クラブ賞(関西所属騎手新人特別賞)を受賞。同期の現役騎手は石神道、坂口、長浜、柴田裕、高杉、橋木。重賞2勝を含むJRA通算55勝。父の智洋は兵庫県競馬の騎手。162・7センチ、48キロ。
○…師匠の清水久調教師は「デビュー当初は緊張していたけど、最近は慌てず冷静に、周りが見えていると思います」と、まな弟子である吉村の成長を感じ取る。「いい馬に乗せていただいてますし、チャンスを生かしてほしいですね。感謝を忘れず、けがなく頑張ってほしい」とエールを送った。