「3種目で金メダル」16歳張本美和が世界卓球日本勢初偉業を堂々宣言…女子単金なら小和田敏子以来56年ぶり
2025年5月8日(木)6時5分 スポーツ報知
卓球の世界選手権に向け笑顔を見せながら練習する張本美和(カメラ・宮崎 亮太)
卓球の世界選手権個人戦(17日〜25日、カタール・ドーハ)に臨む日本代表が7日、都内で事前合宿を公開した。女子で個人戦初出場となる16歳の張本美和(木下グループ)は、出場する女子シングルス、女子ダブルス、混合ダブルスに向け「3種目で金メダルを目指したい」と力強く語った。女子単で金メダル獲得となれば1969年大会の小和田敏子以来、56年ぶりの快挙。早田ひな(24)=日本生命=は2大会連続の表彰台に挑む。
伸び盛りの16歳は、世界一への思いを隠さなかった。昨年2月の世界選手権団体戦で銀メダルを獲得したが、個人戦は初出場。女子シングルスに加え、木原美悠と女子ダブルス、松島輝空(そら)と混合ダブルスを組む。「3種目で金メダルを目指したい。メダルを取りたいという目標でもいいけど、やはり自分は金メダルが欲しい。高い目標を持って頑張っていきたい」。日本勢初の3冠に向け、言葉に力を込めた。
女子シングルスでは日本勢56年ぶりの頂点を目指す。強敵の中国勢との対戦前にまず壁となるのが、ともに勝ち上がれば3回戦で当たるキム・グムヨン(北朝鮮)だ。左利きでバック面に珍しい粒高のラバーを貼り、独特な回転の球を放つ難敵。昨年10月のアジア選手権決勝で1—3で敗れており、美和は「前回やって負けている。粒高の対策もしている」と雪辱に燃えている。女子日本代表の中沢鋭監督(45)も戦術を立て直し「勝てると確信する」と自信を示した。
「3冠」の偉業に向け、土台から鍛え上げている。下半身強化のウェートトレーニングに加え、毎日3キロのランニングは欠かさない。「足がしっかりしていないと動けないし、安定性が出ない」。4月の世界ツアー、コンテンダー・チュニス(チュニジア)では女子シングルス決勝で左利きの早田を4—1で破り、木原と組んだ女子ダブルスでは、世界ランク1位の大藤、横井組を3—1で退けて2冠達成と手応えを得ている。
シングルスの世界ランクは4月に早田を抜き、日本勢トップに浮上。現在は中国勢に続く6位だが、「数字に過ぎない」ときっぱり。28年ロサンゼルス五輪金メダルに向けても大きな一歩となる今大会。「やはり強い人は世界選手権で金メダルを取れると思う」。高校2年生に進級したばかりの若き主軸が、世界の頂に挑む。(宮下 京香)
◆張本美和の3種目の展望
▼女子シングルス 勝ち上がれば3回戦で難敵キム・グムヨンとの対戦が予想される。これを乗り越えると、メダルがかかる準々決勝は世界2位の王曼昱(中国)が立ちはだかりそうだ。
▼女子ダブルス 木原美悠とのペアで第4シードに入り、準決勝まで強敵の中国ペアと当たらない。準決勝は第1シードの大藤、横井組との日本勢対決となる可能性がある。
▼混合ダブルス 松島輝空と第5シードで出場。準々決勝はパリ五輪金メダルの王楚欽、孫穎莎(中国)組と対戦が見込まれる厳しい組み合わせとなった。