「今が適切なタイミング」…X・アロンソ監督は退任を明言も「将来の話をする時ではない」
2025年5月9日(金)21時53分 サッカーキング
レヴァークーゼンを率いるシャビ・アロンソ監督 [写真]=Icon Sport via Getty Images
今シーズンを無冠で終えることが既に決まっているレヴァークーゼン。今季のブンデスリーガの試合は残り2つとなっており、次節のドルトムント戦は本拠地『バイ・アレナ』で行われる今季ホーム最終戦となる。
そんな試合に向けた会見のなかで、X・アロンソ監督は「クラブと私は今週、今季のブンデスリーガの残り2試合が、私にとってレヴァークーゼンの監督として最後の仕事となることで合意した」と発言。同会見の終了後、クラブを通して公式発表があったように、今季限りでレヴァークーゼンを離れることを明言した。
「今が発表する適切なタイミングだと思っている。これまで、私とクラブは良好なコミュニケーションを取ってきたからね。今は複雑な感情が渦巻いており、多くを語るつもりはない。日曜日の試合では、選手たち、そして私自身のために、みなさんに対してきちんと別れを告げたいと思っている。だからこそ、今が適切なタイミングだと思ったんだ」
また、「ふさわしい別れ」を望んでいるというX・アロンソ監督は「最後の瞬間まで、みなさんに何かを返せればと思っている」と話し、残る2試合も勝利のために戦うことを改めて宣言している。
X・アロンソ監督はレヴァークーゼンを離れて“休暇”に入るわけではなく、ドイツメディア『スカイスポーツ』やスペインメディア『マルカ』などの情報によると、行き先はレアル・マドリードで確定しているという。レアル・マドリードでは、2026年6月末まで契約を残すカルロ・アンチェロッティ監督の今シーズン限りでの退任が既定路線となっており、X・アロンソ監督は2028年6月末までの3年契約を締結する可能性が高いと報じられている。
だが、今後の行き先について問われたX・アロンソ監督は、「今日は私の将来について話をする時ではない。今後2週間、何が起こるかだけを話す時だ」と返答。レアル・マドリード行きの噂に言及することはなかった。
現在43歳のX・アロンソ監督は、現役時代にはレアル・ソシエダ、リヴァプール、レアル・マドリード、バイエルンなどで活躍し、スペイン代表としてもFIFAワールドカップ南アフリカ2010で優勝に貢献した。2017年夏の現役引退後は指導者に転身。2018−19シーズンに古巣であるレアル・マドリードのカンテラで1年間監督を務めた後、2019年夏にレアル・ソシエダBの監督に就任。2年目の2020−21シーズンに3部リーグ優勝を果たしたものの、3年目はラ・リーガ2部で20位に終わり、2022年夏に退任していた。
数カ月間はフリーの状態が続いたものの、2022年10月には、当時ブンデスリーガの自動降格圏に沈んでいたレヴァークーゼンで監督に就任。トップチームを率いるのは自身初だったが、初年度からその手腕を発揮し、低迷していたチームをブンデスリーガ6位、ヨーロッパリーグ(EL)でベスト4へ導いた。
翌2023−24シーズンは開幕直後から進撃を続ける。最終的には28勝6分と無敗でシーズンを駆け抜け、クラブに初のマイスターシャーレをもたらした。自身の現役時代から続くバイエルンのブンデスリーガ連覇を「11」で止め、ブンデスリーガ史上初の無敗優勝を成し遂げただけでなく、DFBポカールでもクラブとして31年ぶりに頂点に立ち、国内2冠を達成。ELでは決勝でアタランタに0−3で敗れ、3冠は逃したものの、公式戦で敗れたのは同試合のみだった。
今季開幕前には、選手時代の古巣であるリヴァプールやレアル・マドリードからの関心も報じられたなか、今季もレヴァークーゼンの指揮を継続。ブンデスリーガでは第32節終了時点で19勝11分2敗の勝ち点「68」を獲得したが、バイエルンに“覇権奪還”を許した。DFBポカールでは準決勝で3部のビーレフェルトに1−2で敗れただけでなく、チャンピオンズリーグ(CL)でもラウンド16でバイエルンに2戦合計0−5と完敗。今季は無冠で終えることが決まっていた。
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