【ソフトバンク・中村晃コラム】恩師、鳥越裕介さんの思いをつなぐ「ピンクフルデー」
2025年5月13日(火)6時3分 スポーツニッポン
【中村晃の“新”かぼす論】今月16〜18日の楽天戦(みずほペイペイドーム)は「ピンクフルデー」として開催されます。乳がん検診の受診を啓発・推進する「ピンクリボン運動」と連動しており、私にとっても特別な思いのあるイベント試合になります。
プロ1年目の時、当時2軍の内野守備走塁コーチだった鳥越裕介さん(現・西武ヘッドコーチ)の奥さんが若くして乳がんで亡くなられました。そこから鳥越さんが“こんな悲しくつらい思いを他の人にしてほしくない”との思いから、球団にかけあって始まったのがホークスの取り組みです。
私も参加してきました。鳥越さんがホークスを離れた2018年からは、正式に役割を引き継がせてもらいました。入団時から多くのことを教わり、お世話になってきた方です。「彼に後を託して良かった」と言ってもらった時はうれしかったですね。
ホークスの活動がきっかけで「早期発見できて治療もできました」という声も鳥越さんを通じて聞きました。活動をやってて良かったと心の底から思いました。検診を通じて早く見つかることが大事です。このコラムを読んでいただいている皆さんもそうですし、多くの方にも知ってもらうために、これからも呼びかけていきたいと思います。
スタメンで多く起用していただき、当初は想定していなかった一塁守備に就く機会も増えています。一塁の守備に関しては最初は緊張もしましたけど、ここまで「これをやっておけば良かった」という後悔はないので、準備はしっかりできていると思っています。試合に出してもらえていることをありがたく感じてプレーできています。
苦しい戦いが続いているチームの現状には悔しさもありますが、打破するのはプレーしている私たち選手しかいません。それにホークスは、そうやって乗り越えてきたチームです。これからも最善の準備をして試合に臨んでいきたいと思います。
(福岡ソフトバンクホークス外野手)