“誰からも尊敬された”35歳捕手をなぜDFA? 24歳プロスペクト捕手の緊急昇格に見るドジャースの「狙い」とは?

2025年5月15日(木)11時0分 ココカラネクスト

ドジャースからDFAとなったバーンズ(右)。(C)Getty Images

 縁の下で支えていたベテランに見切りをつけ、若返りを選んだ。現地時間5月14日、ドジャースは2番手捕手である35歳のオースティン・バーンズをDFA(事実上の戦力外)とし、球団のプロスペクト捕手のダルトン・ラッシングを昇格させたと発表した。

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 リードやブロッキング、フレーミングといった守備面に定評があり、いわゆる控え捕手として重宝されてきたバーンズ。2015年からプレーしてきたドジャースでは投手との連携も確立し、クレイトン・カーショウや山本由伸、佐々木朗希からも高評価だった。

 ただ、ドジャースはチームの活性化を選択した。現在24歳のラッシングは2022年のドラフトでドジャースから2巡目、全体40位指名を受けたプロスペクト。昨季はAAとAAAの計114試合で打率.271と出塁率.384、26本塁打、OPS.896を記録し、今季もAAAで31試合に出場して、打率.308、5本塁打、17打点、OPS.938のハイアベレージをマークしていた。

 捕手だけでなく一塁や左翼手としてもプレーしているラッシングは、打撃面での素養がバーンズよりも大きい。現在、ドジャースの外野陣では、テオスカー・ヘルナンデスとトミー・エドマンが故障離脱中。さらにマイケル・コンフォート(打率.172、OPS.590)とクリス・テイラー(打率.219、OPS.500)は揃って大不振に陥っている。そうしたスカッド状況を見れば、若手抜擢は、単純な「控え捕手」の拡充だけでなく、攻撃面のボリュームアップを図る狙いもありそうだ。

 無論、信頼の厚かったベテランに対する急転直下のDFAは、小さくない驚きを呼んでいる。一方で球団の事情を加味すれば、致し方ないという見方もできる。

 球界のありとあらゆる移籍情報を発信している『MLB Trade Rumors』は「バーンズは捕手として好成績を残しており、ロースターの中ではかなり堅実なメンバーであり、ドジャースは2022年に彼と契約延長を結んでいた」と指摘。その上で、今回の判断を次のように論じている。

「バーンズが35歳になったことを考えると、ドジャースは立て直しの望みをほとんど持っていないかもしれない。彼の不振とラッシングの台頭が重なり、ロースターから外れたと言える。彼の年俸と最近のパフォーマンスから判断すると、DFA後も大きな関心は寄せられないだろう」

 デーブ・ロバーツ監督も「彼はチームをまとめる接着剤のような存在で、誰からも尊敬される選手だった。数字以上の存在だったんだ」と振り返るほどの影響力をもっていたバーンズ。そんなベテランにレギュラーシーズンの真っ只中で下された非情なDFAは、ドジャースにとっていかなる結果を招くのだろうか。

[文/構成:ココカラネクスト編集部]

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