アップグレードは「期待どおりに機能した」とメルセデスF1。一方で不安定な挙動のせいで恩恵も減っていると認める

2024年5月16日(木)8時0分 AUTOSPORT web

 メルセデスF1は攻勢に出ており、今週イモラで開催されるF1第7戦エミリア・ロマーニャGPで、W15にさらなるアップグレードを投入する予定だ。


 チームは、長期にわたって鍵となるハードルが残っていることを認識している。レースウイークを通して安定性が欠けていることが妨げとなり、アップデートで実現しようとしているパフォーマンスの向上を、メルセデスは十分に活かすことができないのだ。


 前戦マイアミGPで、メルセデスはアップグレードパッケージの前半部分を実装した。トラックサイドエンジニアリングディレクターのアンドリュー・ショブリンは、レース後にチームが公開した動画のなかでパーツが期待どおりに機能したことを認めたが、より大きな問題が存在している。ライバルの開発ペースと、メルセデスのマシンに継続的な問題があることが相まって、W15の進歩をコース上で反映することが難しくなっているとショブリンは考えている。

2024年F1第6戦マイアミGP ジョージ・ラッセル(メルセデス)


「アップデートキットの約半分をマイアミで導入できた。残りの半分はイモラに到着する予定だ。今後のレースでも開発を持ち込めるよう懸命に取り組んでいる」


「それは期待どおりに機能したか? イエスだ。すべてのものは、我々が望んでいたパフォーマンスをフロアから引き出しているように見える」


「現時点での問題は、他の誰もがマシンを開発しているということだ。だからマクラーレンが大規模なパッケージによって前進しようとしているところが見られている。ドライバーたちが戦わなければならないハンドリングの問題も、パフォーマンスが端的な改善によるものなのか見定めるのを難しくしている」


「我々がよく目にしているのは、セッションごとにマシンがまったく異なる挙動を見せることだ。それが解決されるまでは、この種のアップデートから得られるメリットは常に減ってしまう」


「しかしこの数戦を終え、ドライバーのハンドリングを少しでも楽にするためにマシンに何をすべきか、重要な予選ラップで望むところを走らせるために何をすべきかについて、非常に明確なアイデアを得た。また、これからの3、4レースで投入されるアップデートもかなり充実している。懸命の作業が続いているが、その成果がすぐに見られるようになることを願っている」

2024年F1第6戦マイアミGP ポジションを争うルイス・ハミルトン(メルセデス)とニコ・ヒュルケンベルグ(ハース)


 メルセデスはイモラに焦点を当てているが、ショブリンは今後のことをうかがわせ、W15がよりよいパフォーマンスを発揮する可能性のあるサーキットに言及した。マシンにとって有利な特徴があると考え、その特徴によってメルセデスがあるサーキットでマシンパフォーマンスのポテンシャルをより簡単に引き出すことができると、ショブリンは示唆している。


「これからモナコ、モントリオール、そしてバルセロナと続くが、低速コーナーが主となるコースがふたつある。特にモントリオールは、すべてが低速だ。そしてバルセロナがあるが、シケインが撤去され、非常に速いコースになった。多くの中速コーナー、そしてかなりの高速コーナーがある」


「そのため、我々が対処する範囲はかなり広い。モナコに行って、我々が急にものすごく速くなるとは予想していない。しかし、こうしたコースの微妙な違いによって、弱点が出てしまう機会を少し減らすことができるだろう」


「モントリオールのような場所だと、ひとつの速度レンジしか対応することがないので、マシンを適正範囲に入れるのは少し簡単になる。我々はみな、通常の準備作業をすべて行っている。しかし根本的には、マシンにパフォーマンスアップデートをもたらすことで、この問題から抜け出す方法を開発する必要がある」


「それが我々が取り組んでいることだ。そしてコースでは、自分たちが持っているものを可能な限り最適化し、そうしている間にできるだけ多くのポイントを獲得するつもりだ。我々はこのふたつの分野に同時に取り組んでいる」

メルセデスF1のトラックサイドエンジニアリングディレクターを務めるアンドリュー・ショブリン


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