【ヴィクトリアM】今年は現地観戦の家族とともに テン乗りラヴェルで津村明秀騎手 1年前の光景再び

2025年5月16日(金)6時0分 スポーツ報知

津村明秀騎手

◆第20回ヴィクトリアマイル・G1(5月18日、東京競馬場・芝1600メートル)

 波乱を演出する一発を今年も狙っている。ラヴェルで挑む津村明秀騎手=美浦・フリー=は、昨年のヴィクトリアマイルをブービー人気のテンハッピーローズで勝利した。「すごい手応えで、追い出した時の反応もすごかったし、先頭に立ってからは誰もこないでくれ! と思っていた。直線からゴールするまでと、引き返してくる光景は不思議な感覚だった」。1年後の今も脳裏に鮮明に焼きつく光景。全身に歓声を浴びたウィニングラン、検量室前で次々とかけられる祝福の声。同期の川田将雅騎手と抱擁する場面もあり、勝利インタビューでは自然と涙があふれた。「周りのみんなが喜んでくれたし、僕自身もひとつ肩の荷が下りたというか、G1を勝つために騎手をやっているのでまず達成できたことがうれしかった」。デビュー21年目、48度目の挑戦でのG1初制覇を存分にかみ締めた。

 テン乗りの時こそ自分の感覚を大事にしている。23年以降に制した重賞6勝のうち、23年のマーチS(ハヤブサナンデクン)、24年の中山金杯(リカンカブール)は初騎乗で勝利へ導いた。「返し馬でのファーストコンタクト、自分が感じた感情を大事にしたい。話を聞いたのと自分の感覚が違いすぎると、こうなのかな? と思って迷いが生じたり、やっぱりこうしておけばと後悔するのが嫌なので」と先入観を持ちすぎないことを意識する。今回が初騎乗となるラヴェルは追い切りに騎乗することはなく映像でイメージをふくらませ、坂井瑠星騎手と意見交換した。「すごくいい馬ですよ、と言っていたし、マイルでもリバティアイランドに勝ったり強い競馬をしている。やれなくないという感じは僕の中でも秘めている」とレース当日の初コンタクトを楽しみにする。

 昨年のヴィクトリアマイルは、妻と2人の息子が家族で応援するJ1鹿島アントラーズの試合観戦のため不在だった。「次週のオークスに乗る予定もあったので『サッカーに行ってくればいいんじゃない』という感じで言ったら、まさかこうなってしまった」と笑って振り返るが、今年はサッカーの試合がないため現地観戦の予定という。「ウィニングランは最高だった。1回で終わらせたくないという気持ちはあるし、何回でも味わいたい」。極上の味を経験したことでさらに強まったG1制覇への意欲。栄光をつかんだ舞台で今年も存在感を示す。(浅子 祐貴)

スポーツ報知

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