沈黙の虎...阪神クリーンアップが無安打で今季4度目の零敗 開幕からのハマスタ連勝は3でストップ
2025年5月16日(金)5時15分 スポーツニッポン
◇セ・リーグ 阪神0—1DeNA(2025年5月15日 横浜)
阪神は15日、DeNA戦(横浜)に0—1で敗れ、今季4度目の零敗で連勝は2で止まった。3番・森下翔太外野手(24)、4番・佐藤輝明内野手(26)、5番・大山悠輔内野手(30)が沈黙した。そろって無安打は3月30日の広島戦以来、今季2度目。今季3戦全勝だった好相性の横浜で初めて敗れ、2位広島に0・5ゲーム差に縮められた。
虎の自慢の中軸が沈黙した。最大のチャンスは0—0で迎えた6回。先頭の中野が二塁打で出塁し、クリーンアップを迎えた。しかし、2年間8度の対戦で1度しか黒星を付けていない難敵ジャクソンの前に、後が続かない。森下はバットを折られての一邪飛。佐藤輝は詰まり気味の二直に抑えられた。大山は遊飛で本塁が遠かった。
クリーンアップがそろって無安打に終わるのは、同じく無得点だった3月30日広島戦以来、今季2度目。今季4度目の零敗で、8回に浴びた牧の中前適時打によるたった1失点で敗れた。開幕から続いた「ハマスタ」での連勝は3で止まった。
藤川監督は「まあ野球ですね」という言い回しで、打線は水ものということを暗に示した。首位に立つチームを引っ張ってきたのは、いずれも勝利打点5を挙げるクリーンアップトリオの功績が大きく、この1試合の結果で評価が変わるものではない。ただし心配な点はある。好投手と当たっていることもあって、4試合連続で2点以下しか奪えていない。特に3番と5番の結果が芳しくない。連続試合無安打は、森下が3試合、大山が4試合に伸びた。連続打席無安打も、森下が16打席、大山が19打席とともに今季最長で快音から遠ざかっている。
悪いことは重なり、4回には痛恨の判断ミスも出た。無死一、二塁の好機で、大山の浅い左飛でタッチアップを試みた二塁走者の森下が三塁で刺された。捕球体勢が良くなかった左翼佐野の隙を突いた積極策が裏目に出た。森下は「別に。何も言うことはないです」と言葉少なく、指揮官は「特に何もないです」と言及しなかった。田中内野守備走塁コーチは「佐野君が捕球したので、積極的に行ったと思うけど、結果としてアウトになった。自分の脚力と距離感は覚えていかなきゃいけない」と冷静に振り返った。
最終回は2死一、二塁の好機をつくった。9回に1点差を追いついて引き分けた13日同様に食らいつき、藤川監督は「相手も素晴らしいチームだから、こういうギリギリの展開になる。自分たちとしては最後にいい形を取れたので、それを継続する。それに尽きますね」と前を向いた。きょう16日から、0・5差の2位広島を甲子園に迎え入れる。首位攻防戦では、粘りも武器の一つになる。(倉世古 洋平)
○…阪神は今季4度目の零敗。横浜スタジアムで無得点に終わるのは、23年6月24日に東に5安打完封されて以来。スコア0—1は22年4月20日以来。DeNAの先発が右投手の試合に限ると、19年7月2日(先発・上茶谷)以来6年ぶり。