僕自身ビックリ。5年ぶりのポールポジション獲得の裏側【坂東マサの『俺に書かせろ!』/第2回】

2021年5月17日(月)11時56分 AUTOSPORT web

 レーシングプロジェクトバンドウの代表として国内トップカテゴリーであるスーパーGT GT500クラスに参戦しつつ、青年実業家として様々なチャレンジを続ける坂東正敬監督。そんなマサ監督が日々のレースや、実業家としての活動のなかで、面白いと思ったこと、取り組んでいることについて、自ら筆をとります!


 第2回目は19号車WedsSport ADVAN GR Supraが、5年ぶりのポールポジションを獲得した2021年スーパーGT第2戦富士の裏側と、モータースポーツビレッジ計画の続報などなど、今回もボリュームたっぷりでお届けします。


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 押忍!坂東マサです。


 みなさま、スーパーGT第3戦鈴鹿ラウンドが延期となり、がっかりしてるかと思います。僕も残念ですが、延期の判断は正しかったと思っています。三重県で頑張ってコロナと戦っている医療従事者のみなさんのことを考えると、今は我慢のときですね。


 さて、それでは第2戦富士の話を少し……いや、詳しく記すことにします。


 みなさまご存知かと思いますが、なんと19号車WedsSport ADVAN GR Supraが、2016年第7戦タイ以来のポールポジションを獲得することができました! いつも応援してくださるみなさまのおかげです。いやー……僕自身『ビックリ!』でした。


 2011年にGT500クラスに参戦してから、3度目のポールポジションです! オリンピックより長い周期!?


 ヨコハマタイヤと一緒に戦って、ポールポジションというひとつの結果を残せたことは、スタッフみんなの笑顔につながったので、本当にほっとしています。


 今後はタイヤの分析、路面、気温など……なぜあのタイムが出たかを細かく分析して、より良いタイヤ作りに励みたいと思います。予選後には、ほかのチームが優勝したときくらい、たくさんのメッセージを届きました。みなさま、ありがとうございました!

ポールポジション獲得を喜ぶ国本雄資と宮田莉朋(WedsSport ADVAN GR Supra)


 長年スポンサーのウェッズさんにも少しは恩返しができ、ファンのみなさまにも決勝に向けて大いに期待していただけたかと思います。なんと、グランドスタンド裏のウェッズスポーツブースではグッズが〇〇〇万円売れて過去最高額だった! という連絡も頂きました。本当にありがとうございました。


 今回は宮田莉朋選手のお父様も会場にいらっしゃったのですが、残念ながらお会いできませんでした……。しかも、公式予選Q2の真っ最中、お父様はドリフトパークにいたとのことです。ということは、宮田選手のGT初ポールを生で見れず……音声だけで!?


 あーーーーーーもったいない……。


 ポール獲得の瞬間、お父様はドリフトパークで犬と遊んでいたとか。しかし、決勝日に宮田選手が登場したトークショーには来ていたとのことです。今度は写真付きでご紹介したいと思います。


 宮田選手は素晴らしいドライバーです。ほかのカテゴリーでも是非、注目して見てくださいね。ちなみにトマトが苦手です。

2021スーパーGT第2戦富士 WedsSport ADVAN GR Supra(国本雄資/宮田莉朋)
2021スーパーGT第2戦富士 GT500クラスのポールポジションを獲得したWedsSport ADVAN GR Supra(国本雄資/宮田莉朋)


■1周0.3秒という壁が立ちはだかった110周500kmの戦い


 今回のマーキングタイヤは2種類のコンパウンドを持ち込みました。予選ではふたりとも固い方のタイヤでタイムを出し、決勝のスタートを迎えました。


 スタートのウォームアップが、ほかと比べてどうかな? と思いましたが……ほかのメーカーのタイヤの方が温まりが良く、スタートで抜かれてしまいました。


 宮田選手からは『(気持ちを)切り替えて運転します!』と無線が入り、トップから約10秒離れたところを走行。そんななか、32周目に38号車ZENT GR Supraを最終コーナーで抜いたあと、38号車のホイールが外れ、ホームストレート上をコロコロと転がりました。


 この段階で19号車は、すでにピットロード入口の横を通過していました。もし、17号車Astemo NSX-GTと同じ位置でも、今回は僕の判断力ではピットの指示は出ていなかったと思います。本当に一瞬の判断力を身につけないといけないと痛感しました。


 話は変わりますが、今回初めて導入されたフルコースイエロー(FCY)は、ドライバーのモラルの問題や、走行中のタイヤの外形の違いで、遅かったり、若干速いクルマも見受けられました。セーフティカー(SC)もそうですが、改革するためにはまだまだ時間はかかりますね。しかし何事も最初はありますからね。改革に挑むGTアソシエイションに感謝です。


 第2戦富士は110周500kmの長距離レース、終わってみれば、GT500もGT300も僅差でドラマチックなレースとなりました。19号車は第3スティントでの宮田選手による追い上げもあって7位でチェッカーを受けました。優勝した17号車とは36秒差、1周あたりで計算すると1周0.3秒以上速ければ優勝ということです。この0.3秒という壁にぶつかりました。


 もちろん、19号車より上位のクルマはもっと僅差でした。みんな予選並みのタイムで争いながら、500km、110周を走り続けたのです。難しいですが、この戦いのドラマをもっと大勢の人に伝えたいです。スーパーGTをもっとメジャーにするためには、YouTubeなども含めたSNSの強化ですかね。ほかには、地上波や動画配信サービスで若手ドライバーにスポットを当てた特集を組んだりとか。


 スーパーGTはドラマチックなレースだからこそメジャーにしたいです。引き続き、みなさまの意見をお待ちしております。


 今回は手越祐也さんによる国歌独唱もありましたね。これをきっかけに新しいモータースポーツファンが増えるといいなぁ。僕は逆に手越さんの大ファンになりました。

2021スーパーGT第2戦富士 GT500クラス スタートの様子


■記録で辿る19号車のポールポジション


 ここで少し、マニアックなデータとお話を。まずは第2戦富士の予選です。


PP:1分26秒496(WedsSport ADVAN GR Supra)
2番手:1分26秒499(ARTA NSX-GT)


 予選上位2台は0.003秒差でした。これって距離にして何㎝の差だと思います? 約16cmらしいです(ARTA 鈴木亜久里監督談)。8号車ARTA NSX-GTのエンジニア(ライアン・ディングル氏)はうちの元社員だったので、僕の運が勝ったのでしょうかね……(笑)。


 続いてはチーム別ポールポジション獲得ランキングです。スーパーGTになってからの獲得数(レーシングプロジェクトバンドウ調べ)は、23号車ニスモと38号車セルモ、8号車ARTAが17回で同率首位、2位が12号車インパルで11回、3位が37号車トムスの7回と続きます。


 ちなみに、39号車サードは5回、100号車チームクニミツは4回でした。19号車は今回が3回目で……まぁまぁ。あとはやはり優勝がほしいですね。


 あっ! モータースポーツビレッジ計画に関しましては、そろそろ当社の予定地が決まりそうです。2階建てにしたら富士スピードウェイも見えるかな?


 ほかのオーナーさんは博物館を計画してるとか? モータースポーツビレッジに入居するチームだけが使えるトランスポーター専用の駐車場を作るというお話も。


 お隣はどのチームになるのでしょうか? ワクワクは止まりませんね。費用の問題はありますが……。楽しみにしててくださいね。


 働く側にも目を向けて、合同社員食堂での健康を意識した食事提供なども考えていると聞きました。若い人たちの希望になる場所にしたいですね。


 さて、このまま書き続けると一冊の本になってしまいますので、今回はこの辺で!


 次回となる第3回は『宮田選手のお父さんのお土産』、『国本雄資選手とピアノ』、『第4戦もてぎの大本命は19号車!』の3本立てでお届けしたいと思います。


 前回の富士の優勝予想は外れましたね……でも、だからこそスーパーGTは面白いです。みなさまも第4戦もてぎに向けて予想してみてください。


 僕の予想ですが、GT500は第2戦富士でポールを獲得した我が19号車WedsSport ADVAN GR Supraです! GT300はもてぎが速い片岡龍也選手の乗る4号車グッドスマイル 初音ミク AMGかと予想します。


 結果はどうなるでしょうかね? 次回もお楽しみに!

2021スーパーGT第2戦富士 WedsSport ADVAN GR Supra(国本雄資/宮田莉朋)

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