ランボルギーニ、LMDh初年度は“1チーム”で最大4台。GT3同様、ファクトリー参戦はしない方針

2022年5月18日(水)14時3分 AUTOSPORT web

 ランボルギーニのモータースポーツ責任者ジョルジオ・サンナは、WEC世界耐久選手権とIMSAウェザーテック・スポーツカー選手権の参戦初年度に、ランボルギーニLMDhを単一のチームが走らせると明らかにした。


 ランボルギーニは5月17日、2024年からWECのハイパーカー・クラスとウェザーテック選手権のGTPカテゴリーに登場する予定のLMDhプロトタイプを開発すると発表している。


 気になる参戦チームに関してサンナは、初年度は大西洋の両サイドで単一のチームがランボルギーニを代表することを予期していると明らかにし、より多くのチームと協力することを約束するのは時期尚早であると語っている。


 彼はまた、冒険的事業の初期段階にある現在の計画では、ふたつのチャンピオンシップに最大4台、少なくとも2台を、均等にエントリーさせる予定だと述べている。


「参戦するチームに関しては、(今)シーズン終了後に何かを明らかにすることになるだろう」とサンナは語っている。


「いまはまだ早すぎる。ドライバーについても同様だ。我々の目標は、IMSAプログラムとWECプログラムを管理する、単一のチームを持つことだ」


「それ以上のチームについて話をするのは、今日は時期尚早だ。なぜなら、我々の観点からすると、LMDhはGT3(プログラム)のように管理することが簡単ではないからだ」


「他のカスタマーチーム、あるいは複数のカスタマーチームをサポートするための会社の体制も、ひとつひとつ整えていかなければならない」


「だから、最初は間違いなく、1チームだけでスタートすることになる」


 サンナは、ランボルギーニがハイパーカーやGTPクラスにファクトリー(ワークス)チームで参戦することを望んでいないと強調し、既存のレースチームに強力なサポートを提供することが望ましい戦略である、と明言する。


 これはIMSAのGTDプロに参戦するTR3レーシングや、グラッサー・レーシングチームの4台体制のDTMプログラムなど、トップレベルのGT3レースにおける現在のランボルギーニの参戦スタンスと同様だ。

TR3レーシングの63号車ランボルギーニ・ウラカンGT3 Evo


 また、これは事実上、ランボルギーニLMDh車両を走らせるチームが、ランボルギーニと契約するパートナーではなく、(車両を)購入するカスタマーとなることを意味している。


 他のハイパーカーやGTPのメーカーは、フェラーリにおけるAFコルセ、キャデラックにおけるアクション・エクスプレスやチップガナッシレーシングといった形でファクトリーチームと協力するか、あるいはトヨタやプジョーなど自社オペレーションによりアプローチしている。


「フィロソフィー(哲学)は不変だ。ファクトリーチームを持つことは考えていない」とサンナは述べている。


「つまり、(ファクトリーチームとは)経済的・技術的な面で、全面的にサポートされるという意味だ。だが、我々が持つのはファクトリーから(一定程度の)サポートを受けるカスタマー・チームとなる」


「このアプローチであっても、ファクトリーのすべての集中力、そしてパワーが、少なくとも最初のうちはたったひとつのチームに集中することになる」


 LMDh2年目となる2025年に対して、追加のチームを加えるかどうかについて、ランボルギーニはまだ計画をまとめていない。


「現時点でそれを言うのは時期尚早だ」とサンナ。


「まずは、しっかりとした評価を得なければならない。開始するまでは、どれだけの努力を払わなければならないか分からない」


「いまのところ、我々はひとつのチームだけに集中して、適切なやり方ですべてを行うことに集中している。そのあと、見えてくるだろう」


「LMDhやLMH(ル・マン・ハイパーカー)は予算のかかるプログラムだ。したがって、ファクトリーのサポートなしに自分たちだけでプログラムを維持できるチームは、そう多くはない」


「複数のチームをサポートすることができるのか、我々はしっかりと分析しなければならない」


「それに、1チームといっても、車両が1台だけとは限らない。しかしながら、チームに対するマネジメントや技術的サポートについては、クルマの生産能力も含め、我々はしっかりと評価しなければならないことだ」


 2024年シーズン、ランボルギーニLMDh車両の2シリーズでのプログラムを1チームにより運営する場合、アメリカと欧州、双方に前線基地が必要となる。


 ポルシェ・ペンスキー・モータースポーツは2023年に開始するLMDhプログラムにおいてこの戦略を採用し、IMSA参戦チームはノースカロライナ州ムーアズビルに、WEC参戦チームはドイツのマンハイムに本拠地を置いている。


 ランボルギーニはすでに北米におけるモータースポーツの拠点を持っているが、LMDhの新事業が既存のスーパートロフェオやGT3リージョナルの体制に悪影響を与えないように配慮する必要がある、とサンナは示唆する。


「アメリカには、クリス・ウォードが運営するヘッドクォーターがあり素晴らしい仕事をしており、LMDhプログラムについてもIMSAではともに仕事をすることになる」とサンナ。


「投資を続けているGT3やスーパートロフェオのプラットフォームから能力や人材を奪うことなく、LMDhプログラムに取り組むことができるよう、我々は社内チームを強化する体制を整えなければならない」


「そのためには、社内の規模や能力も考慮する必要がある」


「LMDhのようなハイレベルなクラスに数チームが参戦する状況に向け、それを考慮に入れて一歩一歩進んでいかなければならない」

ランボルギーニのモータースポーツ責任者を務めるジョルジオ・サンナ

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