リーグワン神戸、リーグ発足4季目で初の4強 阪神・淡路大震災から30年の節目にファイナル進出狙う

2025年5月18日(日)6時0分 スポーツ報知

後半、突破を図る神戸SOガットランド(左=カメラ・谷口 健二)

◆ラグビーリーグワン▽プレーオフトーナメント準々決勝 神戸35—20静岡(17日・花園)

 レギュラーシーズン(RS)5位の神戸(旧神戸製鋼)が、RSで2度敗れた同4位の静岡(旧ヤマハ発動機)から4トライを奪って35—20でリベンジし、リーグワン発足後4季目にして初の4強入りを決めた。トップ4の一角に食い込むのは、元ニュージーランド代表SOダン・カーターを擁して前身のトップリーグを制した2018年度以来。24日の準決勝(秩父宮)では、RS1位のBL東京(旧東芝)とぶつかる。

 雨上がりの花園にノーサイドの笛が響き、神戸フィフティーンは抱擁を繰り返した。RS開幕節と最終節で敗れた静岡に決勝トーナメントで雪辱を果たし、ついに4強入りの壁を突破。元オーストラリア代表ヘッドコーチ(HC)で、就任2季目のデイブ・レニーHC(61)は「きょうはいいパフォーマンスが出せた。タフな試合に勝てて良かった」と安どした。

 頂点への夢を乗せたキックパスが通った。24—20と迫られて迎えた後半33分。右サイドの敵陣ゴール前でパスを受けたSOブリン・ガットランド(30)は敵がいない左サイドを狙い澄まし、ゴールラインまで5メートルの位置にだ円球を蹴り込んだ。相手ディフェンスは誰も追いつけず、大外でWTBイノケ・ブルア(25)が好捕して左隅へトライ。ビッグプレーで勝利を決定づけた。昨季リーグワン得点王で、この日も2G3PGの13得点を挙げた司令塔は「捕ってくれると信じて蹴った」と喜んだ。

 流れを呼んだのはFWだ。スクラムで前半から優位に立ち、たまらず崩すコラプシングの反則を相手に連発させた。8人が結束し、同じ平均体重113キロの相手FWを10日の最終節から1週間で攻略。背番号3の元日本代表プロップ山下裕史(39)は「仕事は果たした」と胸を張りつつ、「まだ次もあるんで」と攻略法を“企業秘密”にした。FWを操り、プレーヤー・オブ・ザ・マッチにも選ばれた同SH日和佐篤(37)は勝因を「スクラムだと思う」と分析。「相手にモメンタム(流れ)がいきそうな時に我慢できた」と、体を張った仲間をたたえた。

 準決勝はBL東京戦。RSでは11トライを奪われ、チームワーストの73失点で完敗させられた相手だ。「殴り合いに勝ちます」と日和佐。クラブが胸に刻む阪神・淡路大震災から30年の節目に、今季最大の壁を越え、ファイナルへと進む。(田村 龍一)

スポーツ報知

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