新潟 降格圏19位からの巻き返しへ DF舞行龍 最終ラインからスタイル体現
2025年5月18日(日)4時37分 スポーツニッポン
J1新潟はき18日にアウェーで岡山と対戦する。ベテランDFの舞行龍ジェームズ(36)は、2勝7分け6敗で降格圏の19位に沈む現状を打破するため、ボール保持にこだわり、パスをつないで相手を攻略する決意を示した。歴代3位に到達した新潟での出場試合数をJ1でさらに伸ばしていくためにも、必勝を誓う。
今季、新潟で通算在籍11シーズン目を過ごしている舞行龍は「新潟に対する思いが非常に大きい」と力を込め、J1への生き残りを強く意識する。勝ち点を積むには19年から築き上げてきたボールと試合を支配するスタイルが最善策。岡山戦で、それを証明する。
前節の浦和戦は約1カ月ぶりに先発フル出場。ベンチを温めることが多かった期間では、勝ちきれない要因に気づいた。「守り切りたいという意識があった」。1点を守る力が上位進出に必要なのは承知の上だが「(他チームと)同じではなく自分たちがやってきたことをやらないといけない」と強調する。
「Jリーグは強度やスピードで上回ろうとするチームが増えてきた」と分析する。チームにずばぬけた身体能力を持つ選手はいない。だからこそ技術にこだわってきた。貫いてきた信念は「ボールを保持し、相手を引き出してから逆を取る」。それが今こそ必要だ。リーダーシップを取って共通理解の浸透を図り、個人的にも最終ラインの細かい上下動をDFゲリアや稲村を見て吸収。「成長できた」と先発から外れた期間を有意義に使った。
新潟での出場試合数は歴代3位の272試合。「スタメンから外れたことで、いつまでもここにいられないと感じ、プレー一つ一つにその瞬間を楽しみたいと思えてきた」と心境の変化もあった。とはいえ、まだまだ36歳。老け込む年齢でもない。歴代2位のFW矢野(現J3栃木SC)の276試合は目前で「(矢野)貴章さんを超えて連絡したいし、300試合は出たい」と目を輝かせる。
午前6時にはクラブハウスに来て筋力トレーニングなどを欠かさないベテランは、J1で出場試合を伸ばすためにも岡山戦では内容も結果も求めていく。「全員で一丸となって勝ちたい」。最終ラインから、新潟のスタイルを体現してみせる。
○…昨季にJ2で岡山と対戦経験のあるMF新井は、相手のカウンターに対するリスク管理を心掛ける。守備で人数をかけてゴール前を固める相手から得点するためには「ボランチが相手ゴールに向かうことが大切」と分厚い攻撃を意識。一方で第14節FC東京戦では逆襲から失点したこともあり「岡山は前への推進力がある。(2人のうち)1人のボランチはリスク対応できるようにしたい」と警戒心も強めていた。
岡山は5勝4分け7敗で順位は暫定15位で、プレー数と1試合平均のボール保持率がリーグ最少。一方でCBI(クリア、ブロック、インターセプトの合計)がリーグ1位、特にクリア数が1位だ。攻撃は11得点のうち5得点がショートカウンター、4得点がセットプレーから。13失点中、10失点は後半に喫している。