【新潟大賞典】シリウスコルト快逃V! 田中勝師はJRA重賞初出走初勝利「まさかこんなに早く...」
2025年5月18日(日)5時20分 スポーツニッポン
春の新潟の名物ハンデG3「第47回新潟大賞典」が17日に行われ、8番人気シリウスコルトが逃げ切って重賞初制覇。今年3月に開業したばかりの田中勝春師(54)は、JRA重賞初出走Vの快挙を達成した。
春の新潟でカッチースマイルが輝いた。田中勝師は、装鞍所に戻ってきた殊勲のシリウスコルトを優しくなでた後、好騎乗の古川吉とグーサイン。“おめでとう”“持ってるね”“さすがだよ”。周囲の調教師仲間、ジョッキーからの祝福の嵐に「なんだべ。良かったよ。本当、参ったな」。新人トレーナーは照れ笑いを浮かべた。
デビュー30年目のベテラン古川吉の腕も光った。無難なスタートから序盤はインの好位を追走すると、ペースが遅いとみるやスッと先手を奪取。1000メートル通過61秒3の絶妙なペースを刻み、楽な手応えのまま長い直線へ。最後まで脚色は鈍ることなく、悠々とゴール板を駆け抜けた。パートナーを連勝に導いた鞍上は「いろいろな展開を考えていた。ハナに行くのも一つの作戦だと思っていた」と思い描いた通りの騎乗にニヤリ。続けて「何より勝春さんがしっかり仕上げてくれたからね。先輩の馬で勝ててうれしいです」と師に感謝した。
田中勝師は今年3月の開業から約2カ月半でのスピード戴冠。しかも定年で厩舎を解散した恩師・宗像義忠元調教師から引き継いだ馬で、前走の福島民報杯で厩舎初勝利を挙げたメモリアルホースとあって喜びもひとしお。「ゴール前は“頑張れ、頑張れ”って感じだったね。体調は良かったけど…まさか。こんなに早く重賞を勝てるとは思わなかったよ。(宗像)先生も喜んでくれていると思う」と価値ある1勝に喜色満面。「この馬もだけど、他の馬も頑張らせないとな」。名騎手から名トレーナーへ、大きな一歩を踏み出した。
◆シリウスコルト 父マクフィ 母オールドフレイム(母の父ゼンノロブロイ)21年3月22日生まれ 牡4歳 美浦・田中勝厩舎所属 馬主・飯田正剛氏 生産者・北海道新ひだか町の千代田牧場 戦績13戦4勝(重賞初勝利) 総獲得賞金1億3970万6000円 馬名の由来は星の名称+人名。